上記1.で記載した時間を要する点を少しでも解消するために新設された制度が、「法定相続情報証明制度」です。
法定相続情報証明制度は、不動産登記規則の改正案として、平成28年12月~平成29年の1月の間に法務省のパブリックコメント(意見募集)が実施され、平成29年5月29日に制度開始が予定されています。
法定相続情報証明制度は、戸籍謄本等及び被相続人・相続人の氏名等を記載した「法定相続情報一覧図」を法務局に提出することにより、法務局が法定相続情報一覧図に認証文言を付す制度です。
そして、認証文言付法定相続情報一覧図を、法務局・銀行・証券会社等の各窓口に提出することにより、戸籍謄本等の原本を提出せずに、相続手続を進めることが可能になる予定です。
また、認証文言付法定相続情報一覧図は、発行手数料の無料を予定していますので、何通発行しても、費用がかからず、戸籍謄本等の原本を複数通取得するよりもメリットがあります。
したがって、本事例のように、複数種類の遺産を相続された方にとっては、利用価値が高いものと考えます。
まだ制度開始前なので、細部は不透明な部分が多々あるため、今後も制度の運用方法等を注視していき、必要に応じて、本ホームページでも情報発信したいと思います。
法定相続情報証明制度を活用する場合であっても、戸籍謄本等を最低1セットは取得する必要があり、慣れていないと、対応に苦慮するケースが少ないかと思います。
また、相続人間で遺産取得方法に争いがあり、遺産分割協議が整わないため裁判を考える場合など、弁護士に依頼・相談すべきケースもあります。
当事務所であれば、弁護士と司法書士がそれぞれの専門分野の観点から、ワンストップサービスを実践しているというメリットがあります。
本事例に限らず、相続手続を行う必要がある方がいましたら、お気軽にご相談ください。弁護士報酬・司法書士報酬については、当事務所のHPをご参照ください。
文:司法書士/行政書士 大越一毅
出典:フォーサイト総合法律事務所HP 「登記相談Q&A(第44回)」より
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会計事務所を経営するSさんによると、ここ最近、M&Aに関する相談を受ける機会が増えてきたそうです。会計事務所としてどう対応したらよいでしょうか。