コロナウイルス対策として、オンライン授業の需要が高まっている。中国では実は、コロナウイルス以前にも、オンライン教育市場が成長分野として注目されていた。放課後の個人指導や教室形式の「塾」が急速に普及する一方で、オンラインを利用した教育も早くから導入されてきた。

中国で教育ビジネスが立ち上がるきっかけになったのは、1993年に発表された「中国教育改革と発展の綱要」だ。教育ビジネスに対する民間の投資が開放されたことで、海外からの投資が相次いだ。

今回は、中公教育グループの創業者であり、現会長でもある李永新を紹介する。フォーブスが毎年発表している「中国の富豪ランキング2019版」によると、第22位にランクインしている。

北京大卒業後、大学生向け教育ビジネスで起業

李永新は1999年、北京大学を卒業した。大学3年生の時、レノボをはじめとする大手企業数社から内定をもらい、インターンシップをした大手広告代理店のBlueFocusも彼に興味を示していた。しかし、李永新を不採用とする会社もあった。就職活動の成功よりも、不採用の失敗から学ぶことが多かったという。

いろいろ考えた末、李永新は就職せず、起業家の道を進むことにした。最初に設立したのは「新興偉業」という会社だった。狙ったのは大学生向けの教育ビジネス。大学入学から卒業まで幅広いサービスを提供することを考えた。

当初、投資家は李永新のアイデアに興味を示し、資金援助した。しかし、準備を進めていたところ、投資家が突如資金を引き揚げる決断をする。これでこの会社は終わったかと思われたが、李永新たちは、なんとか事業を継続させた。

中国全土に直営のキャンパス

その後、2001年に公務員試験の分野に参入。2003年に正式に中公教育グループを設立した。2008年、中公教育の講座を受講している学生の数は10万人を超え、書籍、対面授業、オンライン授業を通じて認識されるようになった。

中公教育グループは本社を北京に置く。31の省と300都市に300以上の直営キャンパスと学習センターを持ち、中国全土をほぼカバーする。

中公教育グループは大手教育サービス企業として、「生涯学習」と「質の高い教育」のニーズにこたえている。大学院の入学試験対策講座や医師資格取得試験対策講座、金融・会計関連の資格試験から、目標達成のためのキャリア・プランニング、就職活動、職業トレーニングのカウンセリングなども手がける。(敬称略)

文:M&A Online編集部