2019年、日本市場に正式に参入したスマートフォンメーカーのXiaomi(小米科技/シャオミ)をご存じだろうか。2010年に中国で設立された会社だが、2014年にはそれまで中国スマホ市場でシェア1位だった米アップルを抜いてトップに立った。同時に、中国市場のみでの販売ながら世界的にも韓国サムスン、アップルに次ぐ世界3位のスマホメーカーとなった。

Xiaomiは近年、スマートフォンだけでなく、スマート家電の分野にも進出し、総合家電メーカーとなってきている。今回はXiaomiの創業者で、現会長の雷軍を紹介する。フォーブスが毎年発表している「中国の富豪ランキング2019版」によると、雷軍は第25位にランクインしている。

武漢大学時代に最初の起業

雷軍は1969年に湖北省で生まれた。1987年に入学した武漢大学ではコンピューターを専攻。入学後、多くの上級コースを受講し始める。雷軍はたった2年間ですべての単位を取得し、早々と卒業の見通しを立てた。

大学4年のとき、シリコンバレーの起業家の本に影響を受け、同級生と共に会社をを始める。当時、この会社が売っていたのはトレーディングカードゲームで使用されるカードのような商品だった。しかしその後、雷軍の会社よりも大きな会社が海賊版を作成したため、経営は厳しくなっていった。6カ月後、雷軍は会社を解散することにした。

会社を運営していたころ、雷軍と仲間たちは暗号化ソフトウエアの製作にも携わっていた。このソフトは湖北省の大学生の科学技術の大会で金賞を受賞した。

1992年、大学卒業後、北京金山ソフトウエアに入社する。北京支社の開発部長、珠海支社の副総経理を経て、最終的には1998年、北京金山ソフトウエアの社長にまでのぼりつめた。

雷軍は北京金山ソフトウエアで16年間働き、株式上場も経験した。2007年末、38歳の雷軍は同社の社長を辞した。

16年間のソフト会社勤務を経てXiaomiを設立

2010年、雷軍は仲間たちと共にXiaomi を設立する。その仲間とは、グーグル中国、モトローラー北京などでの経験を持つ人々だった。中国のベンチャー企業創業者の平均年齢は25~26歳とされているところ、Xiaomiの創業当時のメンバーの平均年齢は45歳であったため、異色の存在だった。

Xiaomi は、2011年から自社ブランドのスマートフォン販売を始めた。ポータブルWiFiやモバイルバッテリーといったアクセサリー製品の販売も手がけた。早くも、2013年には、Xiaomiはアリババ、テンセント、百度に次いで、中国で4番目に大きいインターネット企業に成長を遂げた。

photo by Open Grid Scheduler/Grid Engine:Xiaomiの店舗(上海)

スマホを基軸に、総合家電メーカーに脱皮

2014年にはタブレットやノートPCに加え、スマートテレビなどを発売した。さらにスマホと連携する空気清浄機も投入した。2016年には「米家(MIJIA)」という新ブランドを立ち上げ、電動バイクや、炊飯器を発売した。「スマート家電」を標ぼうし、スマホを中心に据える姿勢は変わらないものの、本格的な家電メーカーとなったのだ。

雷軍はエンジェル投資家として、様々な企業に投資してきた。2011年には順為キャピタルという名前のエンジェル投資ファンドを設立した。

2020年3月、雷軍の古巣である北京金山ソフトウエアは取締役会を開き、雷軍を名誉会長に任命することを決定した。(敬称略)

文:M&A Online編集部