いきなり「ダブルパンチ」を浴びる

「新中計がスタートしたその最初でつまずいたという認識だ」。7月末の2018年度第1四半期(4-6月)決算の説明会で、内藤社長は表情を曇らせた。売上高は前年同期比10.9%減の4648億円で、利益は営業損失81億円、経常損失66億円、最終損失45億円とそろって赤字に転落し、出鼻をくじかれる格好となったのだ。売上高はコンテナ船事業を移管したため、2ケタ減となったが、これは予想の範囲内といえる。

赤字転落の要因の一つはONEへの統合に伴うコンテナ船事業の終了費用が想定以上に膨らんだめで、定期船部門の経常損失は第1四半期だけで166億円にのぼった。終了費用は第2四半期以降、漸減する見通しだが、それでも定期船部門は通期で85億円の経常赤字となる見通しだ。

NCSの航空貨物便:日本郵船HPから

もう一つがNCAの運航ストップ。NCAは6月半ば、機体の整備記録に事実と異なる記載が見つかり、全11機の運航を停止し、現在も大幅な欠航が続いている。航空運送部門の経常損失は16億円だったが、第2四半期以降も損失がさらに拡大し、最終的に160億円の赤字を見込む。

NCA、全面運航再開は困難な情勢か?

「まず何よりもNCAの正常化。運航再開に全力を傾ける」。内藤社長は自らに言い聞かせるように語る。国土交通省は7月20日にNCAに対し事業・業務改善命令を出したばかり。機体の健全性確認を終え次第、順次運航再開を目指すが、「かなりの減便を予定せざるを得ない」(内藤社長)とし、今期中の全面的な再開は難しい情勢だ。

NCAはもともと、日本郵船など海運4社と全日空が1978年に共同出資して立ち上げた国際貨物専門会社。日本郵船は2005年に同社を子会社化した。

航空運送事業の通期売上高は従来予想の1010億円から630億円に引き下げた。これは前期実績(978億円)を300億円以上も下回る。航空運送をめぐっては市況が堅調に推移しており、本来なら稼ぎ時のはずだが、出血をいかに止めるかが先決となっている。

通期業績は大幅に下方修正

こうした航空運送事業の縮小などを織り込んで、2019年3月期の全社業績予想を大幅に下方修正した。売上高は前期比19%減の1兆7650億円(従来予想は1兆8050億円)、営業利益は92%減の20億円(同370億円)、経常利益は64%減の100億円(同400億円)、最終利益は40%減の120億円(同290億円)とした。

全売上高の4割以上を占める不定期船部門はほぼ横ばい圏、3割の物流部門は想定線での推移を見込む。

〇セグメント別の売上高

(単位:億円)19/3期予想18/3期
定期船 2790 6914
航空運送 630 978
物流 5330 5123
不定期船 7910 7956
不動産 80 79
その他 1650 1723
消去・全社 △740 △942
連結売上高1兆7650 2兆1832