「陽はまた昇る」(2002年)|一度は見ておきたい経済・金融映画&ドラマ<4>

※この記事は公開から1年以上経っています。
alt

経済や金融業界のリアルな姿を垣間見たいのなら、映画がおすすめ! 特に本を読むのが苦手な人や異業種で働く人には、映像で見るのは分かりやすく、2時間程度なので手っ取り早い。実話をベースにした作品もあるので、世の中の経済事件を理解するのにも一役買ってくれる。多少専門用語も出てくるものもあるが、映画をきっかけに勉強してみるのもおすすめだ。エンターテインメントとしても楽しめる、おすすめの1本を紹介する。

「陽はまた昇る」(2002年)

陽はまた昇る

家庭用ビデオ「VHS」の開発、そしてソニーの「ベータマックス」との規格競争の裏側を描いた1作。「VHSの父」「ミスターVHS」とも呼ばれる高野鎮雄をモデルとし、実話をベースに脚色。社名は実名で登場し、高度経済成長に陰りが見え始めた日本経済を背景に、サラリーマンたちがリアリティあふれる姿で描かれている。

【あらすじ】

1970年代半ばの日本が舞台。日本ビクターで開発技術者として働く加賀谷静男(西田敏行)は、突然、不採算事業であるビデオ事業部の事業部長に任命され、横浜工場へ赴任となった。事実上の左遷、そしてビデオ事業部での大幅なリストラを押しつけられた加賀谷だったが、誰一人辞めさせたくないと心に誓い、成功すれば5000億円のビジネスになるという家庭用ビデオの開発を部下たちと共に始める。しかし、ソニーの家庭用ビデオ「ベータマックス」に先を越されてしまい、後発となった日本ビクターの「VHS」の存在は危ぶまれてしまう。

【見どころ】

飲みニケーションは言葉を超越

加賀谷は、ビデオ事業部の立て直しの一環として販路拡大のために部下の江口(緒形直人)を通訳代わりに引き連れてニューヨークを訪れる。江口がいくら英語で掛け合おうが値引きなしには契約できないという交渉相手に、加賀谷は“飲みニケーション”で値引きなしで契約を成立させてしまう。最後は野球拳で大盛り上がりと、上手くいきすぎな感じではあるが、最近は飲みニケーションに否定的な考えがある中で、加賀谷のように人間力(あるいは人たらし的な魅力)を養うには実はいい方法なのかもしれないと思わせる場面だ。

NEXT STORY

アクセスランキング

【総合】よく読まれている記事ベスト5