海外M&AにおいてCFO・法務担当役員・社外取締役に期待される役割

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※画像はイメージです

 2019年6月17日、経済産業省は、同省が2018年3月に策定した「海外M&Aを経営に活用する9つの行動」を踏まえ、特にCFO・法務担当役員・社外取締役に焦点を当て、各ポジションの職責や専門性に応じて海外M&Aの実行において期待される役割についてより具体化・明確化した「別冊編」を作成しました。
 CFO・法務担当役員・社外取締役は、執行側とそれを監督する側という差異はあるものの、中長期的な企業価値の向上にコミットし、海外M&Aに伴うリスクの精査や対処を含む建設的な役割を果たすことが期待されています。「別冊編」の作成は、海外M&Aに取り組む日本企業において過去にCFOや法務担当役員を務め又は社外取締役を務めている方々等の有識者からのヒアリングを元に作成されています。
 「別冊編」においては、例えばCFOには「数字ばかりを追い、事業の現場感覚を失っていないか。」、法務担当役員には「外部アドバイザーの主体的な活用を意識しているか。」、社外取締役には「自らに情報が集まるようになっているか。」といった、各役職に応じて期待される役割が明確化されているほか、各有識者の実際のM&A経験に裏付けられた具体例も「現場の声」として集約されています。
 現在進行形で海外M&Aに取り組んでいる企業が、これらの具体例をきっかけに社内での議論を活性化し、海外M&Aの成功につながる契機となることが期待されています。

パートナー 大石 篤史
アソシエイト 加藤 瑛子

森・濱田松本法律事務所 Client Alert 2019年7月号 vol.67より転載

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