世の中に、小が大を呑むM&Aの例はあるが、M&Aの原則は「大が小を呑む」である。それは、プレミアムを付けて買収する以上、何らかの統合によってスタンドアロンでは出せない高い業績を挙げて初めて買収価格が正当化されるからであり、その統合を推進するには、大が小を呑む方がやりやすいからである。
統合は主に、「経営統合」と「組織統合」の2つに大別できる。買収先の組織は独立したままにして親会社から間接統治するが、親会社とは一枚岩で経営して高い業績を挙げるものが「経営統合」...
年金バイアウト市場が確立されている国では、退職給付債務ベースではなく、バイアウト価格で行う事がより「正しい」と言える。バイアウトコスト未満で買い手が債務を引き取ってくれることは、売り手にとっては大変お得な取引だ、という事である。
クロスボーダーM&A後の人事戦略シリーズ第3回目は、人事制度を通じた買収先企業の統合について解説します。「相手企業の自立性を重んじる」との理由から、「経営への介入」を控えようとするケースもあるようです。それだと協働は思うように進みません。
M&Aというと、買収価格等の条件面が注目されがちだが、「ヒト」の問題に関しても周到に準備しておかないと、労務トラブル等で思わぬコストが発生する、ということになりかねない。前回に続き、社会保険労務士法人三島事務所でM&Aに関する人事制度策定やコンサルを多数手掛けている林英臣マネージャーに「M&Aを実行する際の人事労務の留意点」について、お話を伺った。
組織・人事面を中心にクロスボーダーM&Aの支援を行ってきたマーサージャパン グローバルM&Aコンサルティング部門プリンシパル、佐々木玲子氏が語る、日本企業が目指すM&Aの新たなステージとは何か。連載第3回は、事業や組織の強化・再編という課題と取り組みについて話を伺った。