タワーズワトソン(NASDAQ: TW)と三菱UFJ信託銀行株式会社では株式報酬導入状況における共同調査において、2014年7月~2015年6月末日までの1年間(以下「本年」という)に、ストックオプションや信託型株式報酬プランなどの株式報酬を付与した事実をプレスリリースにより発表した企業数の調査を実施しました。※この記事は2016年1月5日に発行されたものです。

<< 調査結果概要 >>
ストックオプション
① 全上場企業ベース

 この1年間に付与した企業は602社(前年:535社)
 上記602社のうち、通常型ストックオプションを付与した企業は
255社(前年:224社)
 株式報酬型ストックオプションを付与した企業は383社(前年:345社)
 両方を付与した企業は36社
 2015年6月末時点での全上場企業の約4割が過去に1度以上付与を実施
 前年調査においてストックオプションを付与した535社中417社が本年も付与、
前年からの継続率は約78%

② 時価総額(2015年6月末日時点)上位100社ベース
 この1年間に付与した企業は41社(前年:38社)
 上記41社のうち、
 通常型ストックオプションを付与した企業は10社(前年:13社)
 株式報酬型ストックオプションを付与した企業は36社(前年:31社)
 両方を付与した企業は5社
 100社のうち、過去に1度以上ストックオプションの付与を実施した企業は67社
 前年調査においてストックオプションを付与した38社中34社が本年も付与、前年からの継続率は約89%

【信託型株式報酬プラン】
① 2015年6月末日までに信託型株式報酬プランの導入リリースをした企業は累計187社
② 上記187社のうち、

 役員向け信託型プランは73社(前年:19社)
 従業員向け信託型プランは114社(前年:79社)

<< コメント >>
タワーズワトソン 経営者報酬部門 ディレクター 櫛笥 隆亮、紺野
真貴

 株式報酬の導入企業数が引き続き増加傾向にある。コーポレートガバナンス・コードの適用開始が主因ではあるが、信託型株式報酬プランをはじめ、企業が選択できる株式報酬プランの種類が増えていることも要因の一つであろう。グローバルで広く一般的に用いられる譲渡制限付株式も、日本においてようやく制度整備の目途が立ち、今後新たな選択肢に加わる見込みにある。

 ただ、重要なのは制度の中身である。当然、株式報酬の供与それ自体により、株主利害の共有の基礎を固めるという視点も重要である。しかし足下の関心は、中長期インセンティブにおいて企業の経営戦略との具体的な関連性がどう示されているかに向きつつある。その意味では、中長期インセンティブは報酬制度としての役割のみならず、経営戦略の説得力を支えるものとして、経営陣が投資家に対してプロアクティブに提供する投資判断材料の一つになりつつある。既に欧米では、業績条件等を付したパフォーマンスシェアが主流となっている背景もあり、今後、中長期の業績目標等を絡めた株式報酬の設計事例は増えていくものと推察される。

三菱UFJ信託銀行 法人コンサルティング部 報酬コンサルティング室 グループマネージャー 内ヶ﨑 茂、森本 康介

 信託型株式報酬プランは、年々導入企業が増加基調にあり、本年は導入企業が89社あり、前年の累計導入数98社から倍増し、187社となっている。

 特に役員向け信託型プランに関しては、累計で前年の19社から本年は73社と4倍近い伸びを示しており、背景には、コーポレートガバナンス・コードとスチュワードシップ・コードの適用が影響していると考えられる。当該プランは、企業の経営戦略に合わせた柔軟な制度設計が可能であり、企業の報酬戦略を投資家にメッセージとして説明しやすい制度と言える。

 当社は日本のいろいろな上場企業等の成長戦略を実現するという観点から、動機づけとストーリー性のある役員報酬のあり方や、役員報酬ミックスの内容、KPIの選定、報酬委員会の運営等の実務的対応について数多くの助言を行っている。こうした実務に携わる者の肌感覚として、自社の競争力の源泉や日本的な経営の良さを十分踏まえた上で役員報酬の構造改革を行っていく動きが、今後さらに進展していくと感じている。

①2007~2015年における、ストックオプション導入概況調査結果の変遷

【全上場企業ベース】

【時価総額上位100社ベース】

② 信託型株式報酬プランの概況

【累計リリース件数】

【年間リリース件数】

 各年とも、前年7月から当年6月末日までの1年間に信託型プランの導入リリースを発表したものを調査

 上記棒グラフは累計のリリース件数、折線グラフは単年度ごとのリリース件数を表したもの同様のプランにつき、概要・詳細等の複数のリリースがされているものは1件としてカウント毎年信託設定に伴うリリースをしている場合には、毎年1件としてカウント

 原則として、役員向け信託型プランは取締役・執行役および執行役員(委任契約)を対象とし、従業員向け信託型プランは執行役員(雇用契約)・部長以下の従業員を対象としている

③ 2014年度日米英報酬比較 (売上高等1兆円以上企業)

【出 所】
米国:
● Fortune 500のうち売上高1兆円以上の企業194社の中央値
● Data source: 2014年委任状説明書

英国:
● FT UK 500のうち売上高1兆円以上の企業33社(金融等を除く)の中央値
● Data source: 直近のアニュアルレポート

日本:
● 総額は時価総額上位100社のうち売上高等1兆円以上の企業72社の連結報酬等の中央値
● 内訳(割合)は連結報酬等開示企業(異常値を除く)50社の平均値を使用して算出
● 長期インセンティブには退職慰労金単年度を含む
● Data source: 有価証券報告書
※ 円換算レートは2014年平均TTM(1ドル=105.85円、1ポンド=174.21円)

お問い合わせ先:
タワーズワトソン
タレント・リワード セグメント
経営者報酬部門
櫛笥 隆亮 / 紺野 真貴
TEL: 03-3581-5960 (部門代表)
E-mail: TW.EC.Tokyo@towerswatson.com

三菱UFJ信託銀行株式会社
法人コンサルティング部
報酬コンサルティング室
内ヶ﨑 茂 / 森本 康介
TEL: 03-3212-1211(代表)

文:タワーズワトソン プレスリリース(2016年1月5日)より転載