menu
Social media

法律・マネー

【短期集中連載】ネクストステージに向かう日本企業のM&A戦略/マーサージャパン グローバルM&Aコンサルティング部門プリンシパル、佐々木玲子氏 インタビュー(2)

Cover fe875a9c f060 49fb bc09 d92fb2223158
マーサージャパン 佐々木玲子氏

組織・人事面を中心にクロスボーダーM&Aの支援を行ってきたマーサージャパン グローバルM&Aコンサルティング部門プリンシパル、佐々木玲子氏が語る、日本企業が目指すM&Aの新たなステージとは何か。連載第2回は、PMI(買収後の企業統合)をより高次のものにしていくためのアドバイスを伺った。(前回の記事はこちら

明確な買収の目的を設定して、高い次元のM&Aを目指す

――課題意識のレベルを高めるために大事なポイントは何でしょうか。

事業や組織の強化・再編という課題は、これまで以上に喫緊の課題として捉えるようになっています。海外買収を担当される方や、海外買収先に派遣される日本側役員は、本社から、買収先の現行の延長線での事業計画の推進のみならず、より先の取り組みを見据えて、買収後施策を加速させるように命じられていることも多いようです。

ただ、すべての日本企業が、同じスピードでレベルアップしているわけではありませんし、手掛けてこられた買収案件件数イコール課題意識のレベルの底上げという図式でもありません。

PMI(買収後の企業統合)をより高次のものにしていくには、なぜその企業を買収したいのかという目的がどれだけ明確に定義され、具体的な計画として展開され、徹底して推進されるかいうことにつきると思います。

当たり前のことのように聞こえるかもしれませんが、積み上がった手元資金を使いたいとか、よさそうな案件が出てきたからという理由で目的の明確化がきちんとできないまま行われるM&Aが、いまだに見られるのが実情です。また、当初の目的は明確であったものの、買収担当、PMI担当と案件がわたっていくうちに、だんだんと意識が薄まり、買収後にはそこそこの業績で満足してしまっているケースもあるのではないでしょうか。

――単なる事業の継続から、明確な目的に沿った事業の再編・強化へと、PMIを進化させるには、どのようなことに取り組んだらいいでしょうか。

明確な目的にそった事業の再編、強化という大命題がある場合、それを誰が実行し、結果責任を持つのかをはっきりとさせることは特に重要です。日本企業の場合、海外買収後の事業計画の達成責任は、既存の買収先の経営者に持たせることが一般的かと思います。

ところが、せっかく留任(リテイン)できた、買収先の現地経営陣を相手に、できるだけ波風を立てたくないという気持ちが先に立ち、従来通りを所与として〝お任せ〟してしまうのでは、企業を改革することはできないでしょう。現地経営陣と向き合い、親会社として今回の買収を通じて何を実現したいのか、そのためには彼らに何を実現してもらう必要があるのかという点を縷々と説得し、腹落ちしてもらう必要があります。

そして、彼らに買収後計画のオーナーシップを持ってもらうよう腹をくくってもらわなくてはなりません。また、彼らが達成意欲を高めることができるような報酬やインセンティブをセットで提供することも極めて重要です。

現地経営陣と向き合う過程では、交渉やコンフリクトが発生しますが、そこを避けてはM&Aの進化は望めません。真剣な議論の結果、残念ながら現地経営陣が新たな事業段階に取り組む意思・能力に欠けることが分かった場合は、退いてもらって、新たな経営体制を敷くという決断も求められます。

人事・労務

長時間労働と労働生産性について

司法書士が伝授する起業の法律知識(2)会社の種類 合同会社と株式会社の違いは?

司法書士が伝授する起業の法律知識(1)機関設計と資本金 

【短期集中連載】ネクストステージに向かう日本企業のM&A戦略/マーサージャパン グローバルM&Aコンサルティング部門プリンシパル、佐々木玲子氏 インタビュー(3)

【短期集中連載】ネクストステージに向かう日本企業のM&A戦略/マーサージャパン グローバルM&Aコンサルティング部門プリンシパル、佐々木玲子氏 インタビュー(2)

【短期集中連載】ネクストステージに向かう日本企業のM&A戦略/マーサージャパン グローバルM&Aコンサルティング部門プリンシパル、佐々木玲子氏 インタビュー

【短期集中連載】海外M&A成功に向けて、国際ルールに合致する「ジョブ起点の組織・人事」へ改革/ マーサージャパン グローバルM&Aコンサルティング部門プリンシパル、鳥居弘也氏 インタビュー

【短期集中連載】「とりあえずそのまま」はトラブルの元。要求を明確にして堅固なガバナンスを/ マーサージャパン グローバルM&Aコンサルティング部門プリンシパル、鳥居弘也氏 インタビュー

株式報酬の導入状況 主流は株式報酬型ストックオプションへ

NEXT STORY

マイクロソフトLinkedInの買収から見る日本と海外の転職手段の違い

マイクロソフトLinkedInの買収から見る日本と海外の転職手段の違い

業界では大きな話題となったマイクロソフト社によるLinkedIn買収報道。 そもそもLinkedInって何でしょうか? 簡単にいえば、ソーシャル転職サイトです。海外では誰もが持っているSNSなのですが、日本ではいわゆる大手日本企業の人事がこのLinkedInを使いこなせないという事も背景にあり、流行っていません。


注目の記事

Thumb e1b02e19 e880 4647 9b2e 9735a2922dd8

【リコー】「再成長」へM&A投資 2000億円

リコーが2018~19年度にM&Aに2000億円超を投資する方針を打ち出した。同社にとって大命題は「再成長」の一語に集約される。業績は10年近く一進一退が続き、伸びを欠いたままだ。リコー復権ののろしは上がるのか?

Thumb 5535fbd2 d91a 4fbd a0be 6bc68475be6d
Thumb ec47f788 1259 4d83 bdd8 8407d10e0e92
Thumb 86c7d0cc ec0a 493b bd1c abd4c0f6d333