長時間労働と労働生産性について

※この記事は公開から1年以上経っています。
alt

ビズサプリの三木です。かつて日本には「企業戦士」という言葉があり、「24時間戦えますか?」というコピーのドリンク剤が売れていた時期がありました。時代は変わり、今やブラック企業という言葉に代表される長時間労働が社会問題となっています。
今回は、長時間労働をめぐる問題や労働生産性について取り上げます。

長時間労働と労働生産性について

1.過労死の原因とは

現役で働いている方が亡くなると、その原因が仕事かどうかが問題となります。厚生労働省は、残業が月100時間を超えた場合、あるいは2~6か月平均で80時間を超えた場合に健康被害リスクが高まるという目安を示しています。労災認定も概ねこの目安を基準にしているようです。

社会問題としての過労死もさることながら、現役で忙しく働く方にとって最大の関心事は「自分は大丈夫か?」でしょう。
いわゆる過労死と呼ばれるものには、大きく分けて2つのタイプがあります。

1つは睡眠不足を直接の原因とする疾患です。
睡眠不足が続くことによる高血圧や、規則正しい生活ができず食生活が乱れることによる動脈硬化などが原因で、心筋梗塞や脳出血に至ります。
対策としては、睡眠とバランスのよい食生活に尽きます。もちろん原因は仕事だけではありません。夜遅くまでポテトチップを食べながらネットゲームをしていても同じことが起きます。

もう1つは労働ストレスによるうつ病と自殺です。
うつ病も休暇を取れて治ればよいのですが、そうもいかず自殺に至ってしまうケースが後を絶ちません。
社会問題であるのは確かですが、ストレスは仕事につきものですし、ストレス耐性にも個人差が大きいため、社会制度としてこれを撲滅するのはなかなか難しい問題です。

この2つの悪いスパイラルには陥らないようにしなければなりません。
実は現在の労働法制には限界があり、過剰な長時間労働に歯止めがかかりにくいところがあります。次にこの辺の事情を見ていきましょう。

NEXT STORY

アクセスランキング

【総合】よく読まれている記事ベスト5