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チームの業務の生産性

※この記事は公開から1年以上経っています。
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ビズサプリの三木です。

同じ人数であっても、世の中には生産性の高いチームと低いチームがあります。
不思議なことに、能力の高い人だけ集めても効率が上がらなかったり、普段は目立たない人同士のチームが意外なほどの連携を見せて成功したりします。

今回は、組織の作業効率を上げる鍵について考えてみます。

1.343(刺身)の法則とスーパーチキン

343の法則、もしくは262の法則と言われている話があります。
たいていの組織は、付加価値を生み出す優秀な人が3割(もしくは2割)、プラスにもマイナスにもならない人が4割(もしくは6割)、むしろ足を引っ張る人が3割(もしくは2割)という構成になってしまうという法則です。

科学的な法則というより経験則ですが、会社勤めをされている方であれば「そうそう」という実感があるのではないでしょうか。

それだけでなく、上位3割だけの選抜チームを作っても、その中がまた343に分かれてしまいます。エリート集団は必ずしも効率的ではないというわけです。

人間では実験が難しいですが、動物で似たような実験をした人がいます。
パデュー大学のウィリアム・ミュア教授は、多数のニワトリ飼育かごを用意し、それぞれの飼育かごで最も卵をたくさん産む(=生産性の高い)ニワトリを集めて様子を観察したのです。

するとこれら“スーパーチキン”はお互いに突つきあって、相対的に弱いニワトリをつつき殺してしまいました。人間でいえばエリート同士の足の引っ張り合いです。もちろん生産性は全く上がりません。スーパーチキンの生産性は、他のニワトリを踏み台にすることで得られていたのです。人間社会にもありそうな話ですね。

https://evolution-institute.org/article/when-the-strong-outbreed-the-weak-an-interview-with-william-muir/

2.「アリストテレス」プロジェクト

2012年、Googleは社内改善の一環として、チームの生産性を左右している要因は何かを分析する「アリストテレス」プロジェクトを実施しました。

メンバーが社外でどれくらい会っているか、趣味は似ているか、似たような教育を受けてきたか、性格は内気か積極的か・・・・ありとあらゆる要素を分析し、人間関係のチャートを描いても、これという要因がなかなか分かりません。
あるチームでは生産性の高い人が他のチームでは非効率になることもあります。
よくおしゃべりをするチームの効率が良い等の規則性も特に見られません。

苦心の末にプロジェクトがたどり着いた結論は、心理的安定性(psychological safety)でした。これは「自分の意見を言ってもバカにされたりしない」といった安心感のことで、ハーバードビジネススクールの論文などで提唱されている考え方です。

これにはリーダーの「器」が大事になってきます。全てを自分の意のままにしようとするリーダーの下では、チームメンバーは「怒られるのではないか」とビクビクして心理的安定を得られず、自分でリスクテイクをする決断ができません。
情報を隠すようになり、全てについてお伺いを立てるようになれば意思決定のスピードも上がりません。

もう1つ大事なのは、飾らない自分でいられるかどうかです。これにはプライべートな部分も関係します。
Googleの調査では、チームリーダーが「ガンで闘病中である」というプライベートをさらけ出すことでチーム内に「色々な話をしていいんだ」という安心感が醸成されたケースもあったようです。本業に関係ないストレスが無くなることで力の分散が無くなり、一体感が生まれていくというわけです。

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