政府は4月24日、2020年版の中小企業白書・小規模企業白書を閣議決定した。黒字企業の廃業を防ぐため、技術や人材を次世代の経営者に託す事業承継の重要性を強調した。新型コロナウイルスの影響で企業の経営環境が悪化する中、非常時に備えて事業継続計画(BCP)の策定なども進めるべきとした。

中小企業白書によると、2019年に休廃業・解散した企業は4万3348件。うち61.4%は当期純利益が黒字だった。

企業の休廃業・解散件数は2年ぶりに減少したが、2016年以降は4万件を下回ることなく推移。白書をまとめた中小企業庁は「貴重な経営資源を散逸させないためには、迅速に事業を引き継ぐ取り組みが重要」と指摘している。

白書では、新型コロナウイルスの感染拡大が資金繰りなどに及ぼしている影響も調査した。政府系金融機関などの公的相談窓口に対する資金繰り相談は、3月末時点で約30万件に上った。

相談企業の業種は飲食業の28.5%が最多で、製造業21.5%、卸売業17.9%、小売業17.8%、宿泊業6.9%と続いた。

また、業種別にみて飲食・宿泊業の手元資金が少ないと分析。外出自粛による休業などで売上が落ちれば、給与などの固定費は手元資金から拠出せざるを得ないとし、飲食・宿泊業について「今後半年間で資金繰りが深刻化する可能性がある」と指摘した。

感染症を含む経営リスクを軽減するBCPをめぐっては、大企業に比べて中小企業の策定が遅れている点を指摘。非常時の事業継続の備えとして、テレワーク導入も促した。

2020年版「中小企業白書」全文|中小企業庁
2020年版中小企業白書・小規模企業白書概要 (YouTube metichannel)

文:M&A Online編集部