苦境続く牛丼の「吉野家」京樽を手放した効果は?

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牛丼の吉野家の苦境が続いている。吉野家を傘下に持つ吉野家ホールディングス<9861>の2022年2月期第1四半期決算は本業の儲けを示す営業損益が2億円強の赤字となった。

49億円強の赤字だった前年同期と比べると大きく改善しているものの、水面にまで浮かび上がることができなかった。

経常利益、当期利益は黒字を確保したが、営業時間短縮に伴う協力金や雇用調整助成金などの収入25億円強を計上したのが要因で、苦しい状況に変わりはない。

2022年2月期通期では営業損益は7億円の黒字を見込んでおり、これからどのように挽回するのか。2021年4月に持ち帰りずしや回転ずしなどを手がける子会社の京樽を手放し身軽になった効果はあるのだろうか。

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吉野家、はなまるともセグメント利益は黒字化

同社の2022年2月期第1四半期の売上高は364億5000万円で前年同期比8.1%の減収となった。国内外の売り上げは回復基調にあったものの、京樽の株式譲渡に伴い売り上げが36億7000万円減少したのが要因だ。

事業別にみると主力の吉野家は3.4%の減収だった。営業時間の短縮などに伴い既存店売上高が前年同期を下回ったのが大きい。ただセグメント利益はコスト削減効果が表れ、12億5100万円と黒字化した。

うどんチェーンのはなまるは、35.9%の増収となった。テイクアウト・デリバリー需要が拡大し、既存店売上高が30%改善したのが要因で、セグメント利益も3億9300万円と黒字化した。

海外も17.4%の増収となった。経済活動の再開が進む米国や中国で売り上げが堅調に推移したためで、セグメント利益は3億5800万円と黒字化した。

京樽の2020年2月期は売上高285億700万円、営業利益1億8000万円だった。2021年2月期は公表されていないが、ほぼ同規模の売り上げと利益が、吉野家ホールディングスの2022年2月期からなくなることなる。

同社では「若年層へのワクチン接種の開始や職域接種が拡大しており、今後の市場回復が早まることが期待できる」としたうえで、4月に開示した2022年2月期の業績予想を据え置いた。

果たして、売上高1551億円(前年度比9.0%減)、営業利益27億円(前年度は53億3500万円の赤字)、経常利益52億円(同19億6400万円の赤字)、当期利益20億円(同75億300万円の赤字)達成の行方は。

文:M&A Online編集部

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