―交渉が一筋縄では進まなかったケースについて、一例を挙げてください。
2010年頃のユーロ危機の際にフランス企業から事業を買収する案件がありました。日本の自動車部品メーカーの役員と現地に行き、交渉をある程度はまとめて帰国しました。しかし、そのメーカーの取締役会では「ユーロの価値がどんどん下がっている時期、なんでこのタイミングで欧州の会社を買収するのか」と反対意見が多く出ました。当時の状況からすると当然のことです...
パナソニックの勤務時代に3度のM&A経験を持つ名田秀彦氏。2017年、ビジネスプラン構築や事業性評価支援などを専門に行うインテグラート社に招かれた。