事業承継・引継ぎ支援センター 過去最多の実績を更新

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過去最多の実績を更新 事業引継ぎ支援センターが昨年度

成約1379件、相談1万1686者

中小企業基盤整備機構(中小機構)は6月29日、全国47都道府県(48カ所)にある事業引継ぎ支援センターの2020年度実績を公表した。成約件数は過去最多の1379件(前年度比17%増)で、相談者数も過去最多の1万1686者(同1%増)に上った。

2019年度の成約件数は初めて1000件を超える1176件だったが、2020年度は前年度比203件のプラス。2015年度から5年連続で200件台の伸びを記録した。

成約件数の内訳(譲渡側)は、全体の62.3%を売上高1億円以下の小規模企業が占めた。業種別ではサービス業・その他31.0%、製造業23.4%、卸・小売業18.0%、建設工事業13.3%、飲食店・宿泊業10.3%、運輸業4.1%。売上高と業種の比率などの傾向は前年度と同様だった。

後継者不在の中小企業・小規模事業者の相談などに対応する事業引継ぎ支援センターは、2011年度に国が開設した。成約件数、相談者数とも2020年度まで10年間の実績は右肩上がりで、累計では成約件数が4956件、相談者数が6万191者に達している。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、全国に緊急事態宣言が出された2020年度当初は相談者数が低調だったが、通年では大きく盛り返した。中小機構は「コロナ禍でも、事業承継は中小企業の喫緊の重要課題であることが示された」としている。

後継者人材バンクも好調 134件が成約

また、2020年度からは全国すべての事業引継ぎ支援センターに後継者人材バンクが設置され、創業を希望する個人の登録者と後継者不在の小規模企業・個人事業主をマッチングさせる事業を開始。累計登録者数は4055者で、うち134件が成約にこぎつけた。

2021年度は事業引継ぎ支援センターを「事業承継・引継ぎ支援センター」にリニューアルした。従来の第三者承継(M&A)支援に加え、親族内承継支援、中小企業の意識啓発のための診断事業などにも乗り出し、地域の事業承継のワンストップ機関として相談体制を強化している。

文:M&A Online編集部

関連リンク:令和2年度 事業引継ぎ支援事業に係る実績の公表 事業引継ぎ支援センターの成約、相談件数ともに過去最高 (smrj.go.jp)

M&A Online編集部

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