ご注意ください
この記事は公開から1年以上経っています。掲載されている情報は、公開当時のものです。

【GMOインターネット】オーガニックとM&Aグロースで一大グループ企業へ

alt
※画像はイメージです。


GMOインターネットグループの
M&Aに対するスタンスと今後

 数々のM&Aを実行し、日本を代表する総合インターネットグループへと急成長したGMOインターネットグループ。最後に同社グループのM&Aに対するスタンスを2つご紹介したい。

 一つ目はM&Aを実行するタイミングである。

 同社の創業者で代表取締役会長兼社長の熊谷正寿氏は言う。「オーガニックとM&Aは成長のための両輪だと思う。どちらかと言えばオーガニック(注)で成長したい」「やむを得ない、ここ一番、という時だけM&Aという手法を使います」

積極的にM&Aを活用しているように見えても、同社グループは、基本は自立成長をポリシーとしているのだ。実際、同社グループは、在籍する「ものづくり」に関与するエンジニアやクリエイターの比率を、現在の3割半ばから5割にまで引き上げていく方針であるとのこと。

 2つ目は、例えば、同社グループでは「M&A」や「買収」という言葉が禁句になっており、提携担当のスタッフは「仲間づくり担当」の肩書を名乗ることなどが徹底されている点だ。他にも、同社グループでは「本社および子会社」とは言わず、グループ会社という表現を使う。

 これは買収する側、売却する側のどちらかが上に立つのではなく、目線の高さを合わせることが大切だと感じていることの表れだ。M&Aする側が買収という言葉を使ってしまうと、買った側または買われた側という上下関係を無意識にイメージさせてしまい、うまく統合しにくいというケースが何度もあったからだそうだ。買収するのではなく、グループの理念を共有し、同じ夢に向かっていく仲間になる、との考えだ。

 いわゆる乗っ取りのようなM&Aではなく、同じ夢や目標に向かう仲間を増やし続けるGMOグループ。重要なのは、それが経営トップやM&A担当部署だけが感じているだけではなく、明確にグループ全体の共通言語となるまで定義され、文化として定着させようという働き掛けが徹底されている点である。

 同社が短期間に何十社ものM&Aを実行し、成功と失敗を積み重ねてきたことは、着実に知見として蓄積しているように映る。M&Aに対する同社のスタンスは、M&Aを活用しようとする企業にとって参考となる部分は多い。

(注)オーガニックグロースとM&Aグロースという考え方
〇オーガニックグロースとは、自立的成長の意味で、会社がその時点で持っている商品やサービスをそのまま進化・拡大して売り上げを伸ばしていこうとする企業戦略
〇M&Aグロースとは、その企業が所有していない製品やサービスを外部から調達して既存のビジネスと併せて成長しようとする戦略

この記事は、企業の有価証券報告書などの開示資料、また新聞報道を基に、専門家の見解によってまとめたものです。

まとめ:M&A Online編集部

M&A Online編集部

M&Aをもっと身近に。

これが、M&A(企業の合併・買収)とM&Aにまつわる身近な情報をM&Aの専門家だけでなく、広く一般の方々にも提供するメディア、M&A Onlineのメッセージです。私たちに大切なことは、M&Aに対する正しい知識と判断基準を持つことだと考えています。M&A Onlineは、広くM&Aの情報を収集・発信しながら、日本の産業がM&Aによって力強さを増していく姿を、読者の皆様と一緒にしっかりと見届けていきたいと考えています。


NEXT STORY

【今週のピックアップ】アメリカ最新派遣M&Aレポートと 日本の人材派遣企業動向

【今週のピックアップ】アメリカ最新派遣M&Aレポートと 日本の人材派遣企業動向

2016/04/16

昨年9月、労働者派遣法が改正され物議を醸している。「一般労働者派遣」と「特定労働者派遣」 の区別なく派遣期間が最長3年までなった。この改正によって、働き方や派遣業に変化が起こるのは必至の情勢だ。方やアメリカではどうなっているのか、興味深いレポートが寄せられた。その他人材を扱う企業の動向をまとめた。

関連のM&Aニュース