名門「椿山荘」の藤田観光が従業員700名削減の大リストラへ

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藤田観光を代表するホテル椿山荘東京

再起の鍵を握るのはウエディングか

椿山荘の庭園
広大な庭園を持つ椿山荘

藤田観光の2020年12月期第3四半期の売上高は前期比64.6%減の176億9,900万円。営業損失は167億2,500万円となりました。セグメント別にみると、WHGの売上が前期比72.6%減の76億5,000万円、営業損失が118億7,700万円(前期は14億900万円の黒字)。L&Bの売上が前期比62.0%減の58億2,700万円、営業損失が45億200万円(前期は9億7,800万円の赤字)となっています。

観光客や出張客が激減したビジネスホテル事業は、損失額が売上を1.5倍も上回る壊滅的な数字です。ホテル事業については、ワクチンなどによって新型コロナウイルスの影響が弱まり、人の移動が活発になるのを待つより方法がありません。観光庁の宿泊旅行統計調査によると、2020年9月の客室稼働率は宿泊施設全体で36.1%、10月が43.1%となりました。ビジネスホテルは9月が44.2%、10月が51.4%です。少しずつですが回復傾向にはあります。ただし、9月、10月はGo Toキャンペーンの恩恵があり、ビジネスホテルがその影響を受けにくいとはいえ、本来的な数字はもう少し低いものと考えられます。いずれにしろ、時間がかかるのは間違いありません。

当面、藤田観光を支えるのは「椿山荘」などの婚礼を軸としたL&B事業となりそうです。結婚式は新型コロナウイルスでキャンセルになっていますが、ほとんどが中止ではなく延期の措置をとっています。来年の春までに感染拡大を抑え込むことができていれば、婚礼の売上は戻ります。結婚式は春と秋に集中しているからです。最悪の場合でも、秋までに収束を迎えていれば業績の回復は見込めると考えられます。

椿山荘はかつてそのブランド力で年間1,000件以上の結婚式を受注していましたが、施設の老朽化やブランド力の低下によって数百件程度にまで落ち込んでいます。最大の成長エンジンを失った藤田観光は、代々受け継いできた資産を見直し、そのブランド価値を磨くという、手のかかる仕事に専念する時期がやってきたように見えます。

文:麦とホップ@ビールを飲む理由

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椿山荘などの結婚式場やホテルを運営する藤田観光は、2019年12月期営業利益が前年同期比74.5%減の2億8000万円で着地しました。韓国人観光客急減による影響は大きいものの、婚礼部門の不振が深刻なようです。