「すき家」が一人勝ちの様相 先行された「吉野家」「松屋」の状況は
牛丼店「すき家」を展開するゼンショーホールディングス<7550>が2023年8月10日発表した2024年3月期第1四半期決算によると、「すき家」事業の営業利益が急増した。
厚生労働省によると、日本の喫茶店業界のコロナ前の市場規模は1兆円から1.2兆円で、20年間ほぼ横這いで推移。店舗数は2008年の29万件をピークに減少に転じており、2017年の時点で20万件ほどとなっています。コスタコーヒーの新規参入は、既存のプレーヤーにとって市場の奪い合いを加速させる脅威となります。
国内の店舗数はスターバックスが1,846で圧倒的。ドトールが1,275で、その後を追いかけています。
■カフェチェーン店舗数
スターバックス | 1,846 |
ドトールコーヒー | 1,275 |
コメダ珈琲 | 968 |
タリーズコーヒー | 700 |
サンマルクカフェ | 353 |
※公式ホームページより筆者作成
コスタコーヒーは価格面の違いから、ドトールやサンマルクカフェの脅威にはならないでしょう。フルサービス型のコメダ珈琲も競合にはなりません。店舗数1位のスターバックスと、4位のタリーズコーヒーがライバルとなります。
コスタコーヒーの一番の強みが知名度。日本コカ・コーラはコスタコーヒーの広告キャンペーンに米倉涼子さんを起用。2022年に調査を行ったところ、ブランド認知度が全世代で6割になったと明かしています。メインターゲットの30~50代の男女に至っては7割に及んでいるとしています。
店舗運営において、ブランド認知が高いことは相当な追い風。渋谷店はオープン前から行列ができていたことからも、顧客の実店舗への期待度が高まってる様子がわかります。
コスタコーヒーは、すでにブランド構築とメニュー開発が済んでいます。ゼロから立ち上げるよりも圧倒的に有利なポジションにいます。店舗拡大のポイントは人材獲得と育成になるでしょう。
高単価のカフェは、居心地の良さが顧客のブランド選好因子に強く影響することが分かっています。掃除や接客、提供スピードなどオペレーションの難易度が高いのです。スターバックスは長い時間をかけて人材を育成し、ブランド力を磨き込みました。アルバイトの獲得難と時給高騰という逆風下の中で、コスタコーヒーが人材獲得や育成に成功すれば、カフェチェーンの勢力図を大きく塗り替えることができるかもしれません。
麦とホップ@ビールを飲む理由
牛丼店「すき家」を展開するゼンショーホールディングス<7550>が2023年8月10日発表した2024年3月期第1四半期決算によると、「すき家」事業の営業利益が急増した。
吉野家ホールディングスが調剤薬局や大学と相次いで連携を深めている。同社は女子栄養大学の栄養監修のもと、新商品を開発したほか、日本調剤の店舗で介護食に適した商品の販売を始めた。