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「飲料・食品」10~12月に値上げラッシュか 値下げ企業もちらほら
飲料・食品業界で2社に1社が、2022年8月以降に値上げを予定していることが分かった。すでに実施した企業を含めると実に9割近くに達する。そんな中、あえて値下げに踏み切る飲食企業もある。果たして消費者の反応は?
「東京チカラめし」を運営するSANKO MARKETING FOODS<2762>が、5月15日に2023年6月期の通期業績の下方修正を発表しました。売上高は従来予想より27.3%少ない72億円とし、1,000万円としていた純利益を6億8,000万円の純損失に切り替えました。
原材料価格やエネルギー価格の高騰などを下方修正の理由に挙げていますが、赤字に切り替えた主要因は当初の売上予想に届いていないことであるのは明らか。今期はまん延防止等重点措置が解除された後の業績で、コロナ後も集客に苦戦している様子がうかがえます。
かつての稼ぎ頭だった「金の蔵」を大量閉店し、大衆酒場「アカマル屋」の出店を強化していますが、業績回復の道筋は見えてきません。この記事では以下の情報が得られます。
・SANKO MARKETING FOODSの業績推移
・「東京チカラめし」の店舗展開
SANKO MARKETING FOODSは神田駅のガード下に構えたカレーと牛丼の店「三光亭」が原型。2011年6月にオープンした「東京チカラめし」がヒットし、知名度を高めました。「東京チカラめし」はわずか1年ほどで100店舗まで拡大します。しかし、牛丼店をモデルとするものの、肉を焼く手間が発生するために店舗オペレーションの難易度が高く、回転スピードについていくのが困難でした。また、急速な拡大で人手不足が深刻化。顧客から提供スピードが遅いなどの声が上がるようになり、ブームは終焉を迎えます。
2014年4月に68店舗をマックグループ(現:ガーデン)に譲渡しました。「東京チカラめし」は2022年8月29日に新宿店が閉店となり、東京都からは姿を消しています。
SANKO MARKETING FOODSは1998年に「鶏屋 東方見聞録」、2009年に「金の蔵」をオープンしており、「東京チカラめし」縮小後は居酒屋店の運営を主力事業に切り替えました。しかし、「鶏屋 東方見聞録」も「金の蔵」も繁華街の空中階がメインであり、個室を完備した大型店という特徴がありました。家賃負担が重く、損益分岐点が高かったのです。集客力を失った店舗が目立つようになり、2017年6月期に赤字となります。
赤字からの改善が進まない中、新型コロナウイルス感染拡大で大打撃を受けました。
居酒屋を運営する企業の多くは、助成金の影響で黒字化しましたが、SANKO MARKETING FOODSは赤字から抜け出すことができませんでした。2023年6月期で7期連続の最終赤字となる見込みです。
しがないサラリーマンが30代で飲食店オーナーを目指しながら、日々精進するためのブログ「ビールを飲む理由」を書いています。サービス、飲食、フード、不動産にまつわる情報を書き込んでいます。飲食店、宿泊施設、民泊、結婚式場の経営者やオーナー、それを目指す人、サービス業に従事している人、就職を考えている人に有益な情報を届けるためのブログです。やがて、そうした人たちの交流の場になれば最高です。
飲料・食品業界で2社に1社が、2022年8月以降に値上げを予定していることが分かった。すでに実施した企業を含めると実に9割近くに達する。そんな中、あえて値下げに踏み切る飲食企業もある。果たして消費者の反応は?