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銘菓「鶴乃子」の石村萬盛堂、特別清算開始決定

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石村萬盛堂プレスリリースより(2022年12月、撮影:鳥村鋼一)

~かつて福岡銘菓の「鶴乃子」を製造販売していた~

(株)FRT企画 (旧:(株)石村萬盛堂、福岡市博多区須崎町2-1、登記上:同市中央区大名1-9-33、設立1949(昭和24)年2月、資本金9500万円、代表清算人:石村善之亮氏)は1月10日、福岡地裁より特別清算開始決定を受けた。
 負債は現在調査中。
 ※TSR企業コード:870004646、法人番号:2290001011536

 明治38年創業の老舗菓子製造会社。銘菓「鶴乃子(つるのこ)」でも知られ、先代の石村善悟氏は「ホワイトデー」の発案者であり、和菓子にとどまらず洋菓子など幅広い菓子類を取扱い、経営の多角化に取り組んできた。店舗形態も和菓子専門の「石村萬盛堂」をはじめ、洋菓子の「ボンサンク」、和洋併設郊外店「いしむら」などを出店。フランチャイズ店も展開し、多様なニーズ・地域に対応して業容を拡大。ピークとなる2007年6月期には売上高75億781万円を計上した。

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 しかし、近年は同業他社との競合に加え、大手コンビニチェーンのスイーツの品質向上もあり、厳しい業況に陥っていた。このため、2008年6月期中より金融機関主導による再建に着手し店舗のスクラップアンドビルドなどを実施。減収傾向が続き、2017年6月期の売上高は55億800万円まで落ち込んだうえ、約3億5500万円の赤字を計上し、債務超過額が拡大した。
2019年6月期には10店舗以上を閉店したこともあり、売上高は約39億3500万円にまで減少。同年11月には新宮工場を売却するなど再建に取り組んでいたが、2020年に入り「新型コロナウイルス」感染拡大の影響により、業績がさらに低迷していた。

 こうしたなか、(株)ふくや(TSR企業コード:870046829、法人番号:1290001010159、福岡市博多区、登記上:同市中央区)のグループ企業である(株)かわとし(TSR企業コード:872422399、法人番号: 5290001012309、同市博多区)をはじめとするスポンサー企業の支援のもと、2021年9月に設立された(株)SEN企画(現:(株)石村萬盛堂、TSR企業コード:692710884、法人番号:3290001094646、同市博多区)へ事業を移管。当社は2021年10月1日、現商号に変更し2022年11月15日、株主総会の決議により解散していた。

東京商工リサーチ「TSR速報」より

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