まずは最も重要な点について、簡潔に結論を書こう。株式会社制度を「発明」したのは、ユダヤ教徒ではない。世間には「株式会社制度はユダヤ教徒が作り、その仕組みを使って陰で世界と植民地を牛耳った」という類の「ユダヤ陰謀論」が溢れている。これもまた、西洋キリスト教社会が巧妙なマーケティング戦略の元に流布し続けた「フェイクニュース」である。
むしろ事実は逆だ。ユダヤ教徒は、特に初期のオランダ東インド会社において主役にはなれなかった。筆者はそう理解している...
コロンブスの航海について最後に触れておくべきは、やはり日本のことだろう。コロンブスは日本を発見しなかったし、想像したほどの黄金が無いことはすぐ分かった。が、西洋はある意味黄金よりも興味深いものを発見することになる。それは「日本人」だ。
今、再び大きな歴史の転換点とも言える出来事が起きている。今回はロシアによるウクライナ侵略戦争について言及する。ウクライナが位置する東欧は、このコラムの主題のひとつである反ユダヤ主義やユダヤ陰謀論の歴史舞台の一つの核ともいえる場所だからだ。
キリスト教徒はユダヤ教徒によりイスラエルを追われ、世界帝国の首都ローマでの布教を始める。弾圧を受けながらもローマの国教となったキリスト教。一方、ユダヤ教徒もローマとの紛争に破れ、ローマ帝国の地方都市に渡り新たなコミュニティーを形成していく。
1株に多数の議決権を付与する「デュアルクラス」は、アメリカ西海岸、シリコンバレー流の反逆精神、カウンターカルチャー精神の表れであり、オトナの経営者が眉を顰めるだけのキワモノなのだろうか。実はこの制度を使えば敵対的買収も回避できるのだ。