前回のコラムでは、原始キリスト教の宣教のため欧州に渡ったイエスの使徒たちと、離散して欧州に渡ったユダヤ教徒たちの、それぞれの足跡を辿(たど)った。
では、スペインにやってきたユダヤ教徒たちは、どのようにして経済的に自立し、定住していったのか。そして、どのような経緯で金融の発展に関わっていくことになるのか。今回から本題となるユダヤ教徒と企業金融(コーポレートファイナンス)の歴史について触れていきたい。
ここで最初に明確にしておきたいことがある...
キリスト教徒はユダヤ教徒によりイスラエルを追われ、世界帝国の首都ローマでの布教を始める。弾圧を受けながらもローマの国教となったキリスト教。一方、ユダヤ教徒もローマとの紛争に破れ、ローマ帝国の地方都市に渡り新たなコミュニティーを形成していく。
1株に多数の議決権を付与する「デュアルクラス」は、アメリカ西海岸、シリコンバレー流の反逆精神、カウンターカルチャー精神の表れであり、オトナの経営者が眉を顰めるだけのキワモノなのだろうか。実はこの制度を使えば敵対的買収も回避できるのだ。