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ヴァージニア会社の歴史に見る米国起業家精神の「もう一つの原点」|間違いだらけのコーポレートガバナンス(10)

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前回は米国のスタートアップで導入が進むデュアルクラス(複数議決権株式)の仕組みについて考察した。これは「コーポレートガバナンス(株主による企業統治)」の観点からは全く受け入れがたい傲慢な仕組みだ。

米国「起業家精神」のもう一つの源流とは

一方で、実はそのような仕組みが、株主権の行使を最大の武器として商売しているバイアウトファンド運営会社の企業統治においても導入されているという矛盾を指摘した。

一見、「ご都合主義」のように感じられる両社には共通点がある。それは、Facebookを創業したマーク・ザッカーバーグ氏も、コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)の創業者であるヘンリー・クラビス氏やジョージ・ロバーツ氏も皆、米国の起業家であり、創業オーナーだという点だ。

ザッカーバーグ氏はIT技術を駆使して巨大帝国を築いた。クラビス氏は株主権と金融技術を駆使して世界最大の投資グループを築き上げた。西海岸を本拠地に巨大SNSを展開した天才と、東海岸で成功した金融エスタブリッシュメント。今日の視点で見れば、一見対極にありそうな両者だ。

しかし、実は持てる才能を最大限に生かして成功した起業家である点で共通している。株主に適切に「ガバナンス」されたから成功したわけではない。このような事実を目にするたびに思うことがある。

「米国経済の本質的根幹をなすのは、株主統治ではなく起業家精神ではないか。少なくとも米国人は本音ではそう思っているのではないか」

そうでなければ、常に議論がありつつも、デュアルクラスのような仕組みを制度として市場が許容することの説明がつかない。では、このような起業家精神の源流は一体なんなのか、米国という国家の創業初期の歴史を紐解くことで大胆に考察してみたい。

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