バスコ・ダ・ガマのインド航路発見など「大航海時代」での100年以上に及ぶ試行錯誤の蓄積を踏まえ、「より継続的に」「出資者のリスクを限定しつつ」「はるか遠くの植民地を効果的に統治(ガバナンス)して」「イギリスの株主が植民地からの利益のすべてを独占」するために精緻化され制度化されていった仕組み。それが株式会社の原始的形態であり、初期の東インド会社だ。現代の株式会社制度の骨格となる多くの概念がここで作られていった...
この連載コラムでは「間違いだらけのコーポレートガバナンス」と題して、「コーポレートガバナンスの万能性」について懐疑的な視点から考察している。今回はこの連載の核となる「コーポレートガバナンスと企業成長、イノベーション」について説明しよう。