前回のコラムでは、イベリア半島のユダヤ教徒が、その技術(特に医学)や専門性をきっかけとして時の権力者に重用されていく過程に触れた。12世紀以降、レコンキスタの進展により、イベリア半島は主にキリスト系の3王国(ポルトガル王国、カスティーリャ王国、アラゴン連合王国)の支配下となる...
ユダヤ教徒は貿易業などの本業を営みつつ、多角化の一環として金融業を早くから営んでいた。ユダヤ教徒の金融業の発展過程とその背景について書いてみたい。キーワードは「宮廷ユダヤ人」だ。そして舞台はイベリア半島(現在のスペインとポルトガル)である。
米国経済の本質的根幹をなすのは起業家精神ではないか。少なくとも米国人は本音ではそう思っているのではないか。さもなくばデュアルクラスのような仕組みを制度として市場が許容することの説明がつかない。では、こうした起業家精神の源流は一体なんなのか。
今回のコラムは、「経営者の監視ができる仕組み」に関する現行のコーポレートガバナンス制度の有効性を前提としつつ、経営者の不正がなくならない原因について考えを述べてみたい。