前回のコラムでは、世界史の歴史的な転換をもたらした、イベリア半島における1492年の三つの出来事を取り上げた。一つはレコンキスタの完了。そして一つはユダヤ教徒の追放。もう一つがコロンブスの西廻り航路による初航海だ。今回のコラムでは、このコロンブスの航海について歴史に大きな影響を与えたスタートアップファイナンスとしての側面に着目して掘り下げてみたいと考えていた。しかし今、再び大きな歴史の転換点とも言える出来事が現在進行形で起きている。言うまでもなくロシアによるウクライナ侵略だ...
歴史を紐解くと大きな流れの結節点とも呼べる「運命の年」が存在する。日本で「天下分け目」といえば1600年の関ケ原の戦いを思い浮かべるだろう。思想の巨人フランス系ユダヤ人のジャックアタリ氏によれば、スペインにおける「運命の年」は1492年だ。
一神教と疫病とコーポレートファイナンスの関係を探る連載の3回目。今回は一神教であるユダヤ教の基本理念を解説する。ユダヤ教は「律法主義」「メシア信仰」「選民思想」を重視するが、その真意は意外にも現代の契約社会に通じる合理的で平等な概念だった。
株主資本主義大国でありながら、イノベーション王国(起業家大国)でもある米国。注目すべき仕組みの一つが、「デュアルクラス」(複数議決権株式の活用)だ。これは、起業家(創業メンバー含む)に、1株に複数の議決権がついた株式を割り当てるものである。