エルサレム博物館にある死海文書展示館の外観。第2次世界大戦直後にイスラエル・クムラン洞窟で壷に入った2000年以上前の「トーラー」(旧約聖書)の写本が発見された。その内容は現代に伝わるものとほぼ完全に一致しており、20世紀最大の考古学的発見の一つ(2019年筆者撮影)
前回のコラムでは、近代株式会社におけるコーポレートファイナンス(企業金融)の仕組みが、オランダ東インド会社における有限責任原則の成立によって始まったことを頭出しした。そして、同社の成立につながる大きな歴史の流れの中に、疫病(ペスト)の発生を引き金としたキリスト教徒による凄惨なユダヤ教徒迫害の存在があるという筆者の考えを述べた。
いったい何のことか。多くの読者は非常な唐突感を感じるだろう。まず「一神教とは何か」という点について触れる必要がある。一神教を取り上げる際、それを筆者がどのように解釈しているのかを共有しないと、議論を始められないからだ...
今回のコラムは、「経営者の監視ができる仕組み」に関する現行のコーポレートガバナンス制度の有効性を前提としつつ、経営者の不正がなくならない原因について考えを述べてみたい。