前回のコラムでは、欧州に離散したユダヤ教徒が金融業に進出していった経緯について筆者の見方を述べた。離散ユダヤ教徒は、金融家である前に起業家であり、なによりも前にまず「プロフェッショナル(専門家)」だった。それがこのコラムの立場だ。
わざわざ彼らのディアスポラの歴史から紐(ひも)解いてこの見方を述べたのは、金融とユダヤ教徒について最も一般的とされる説明に、筆者はかなり懐疑的だからである...
今回のコラムは、「経営者の監視ができる仕組み」に関する現行のコーポレートガバナンス制度の有効性を前提としつつ、経営者の不正がなくならない原因について考えを述べてみたい。