1486年5月、コロンブスはカトリック両王に拝謁した。コルドバの王宮で開催された運命のプレゼンで、コロンブスはイザベルに訴える。邪教に耽り、キリストの福音を知らぬまま、死んで地獄に落ちる憐れな未開の異教徒たちを聖なる教えに導いて救うと。
そしてフェルディナンドにも訴える。この新貿易ルート開拓が、スペイン王国に巨万のリターンをもたらすだろうと。コロンブスは、両王の政治的関心事を正確に分析し、それぞれに対して「グサッと刺さる」一世一代のプレゼンを行った...
今回のコラムは、「経営者の監視ができる仕組み」に関する現行のコーポレートガバナンス制度の有効性を前提としつつ、経営者の不正がなくならない原因について考えを述べてみたい。