子会社化したゆめみとの相乗効果でローカルビジネスを狙うセレス

若い企業の多くが資金調達で成り立っているように、収益化できていないサービスはゴロゴロ転がっています。これは当然のこと。アプリなどのWebサービスは、資金を投じて開発してから無料でまき散らし、大量のユーザーを囲いこまなければなりません。投資回収やマネタイズをどうするかは、二の次と考えているケースがほとんどです。例えば、KDDIが30億円出資をしたレシピ動画「デリッシュキッチン」のエブリーですら、23億円の赤字を計上しています(詳しくはこちら)。

アプリの利用者は拡大しているにも関わらず、収益化できていないためにIPOが叶わずに小粒のM&Aで終わってしまう。それでは投資家は納得できません。場合によっては、株主として強固に反対します。

そうなると、ICOのメリットが出てくるのです。利用者が増えてサービスが拡充していれば、トークンの価値は上がります。シンクロライフを例にとって説明します。SynchroCoinは1億トークンを上限として発行されます。55%が市場に放出され、20%がシンクロライフ内にプールされています。シンクロライフのユーザーが増えてトークンの取引が活発になると、ユーザーは取引所を通じてSynchroCoinを買おうとします。課金ガチャと同じ現象です。そうすると、トークンの価値はどんどん上昇するというわけです。つまり、サービスの拡充に合わせて、投資家が保有するトークンの価値が上がる仕組みになっているのです。投資家は無理やり上場させようとしたり、小規模M&Aに落胆することがなくなったというわけです。

さて、今回のセレスとギンカンの資本業務提携の話に戻りましょう。ギンカンはセレスから8000万円の資金調達に成功しました。第三者割当増資ですが、株式にトークン転換権を付与したのです。セレスはギンカン株を手にしましたが、エグジットの手段としてトークンの売却もあり得ることになったのです。

セレスからすると、ギンカンがユニコーン企業に成長してキャピタルゲインを得るのが一番の理想です。しかし、ギンカンはすでにICOで資金調達を行っています。実はICOを行うと、会計処理が整わないために監査法人が契約してくれない可能性があります。万が一ギンカンが上場できなかったとしても、トークンで売却益を得られるというわけです。

シンクロライフ
口コミ件数は17万件、画像は42万枚


シンクロライフはダウンロード数が10万、アクティブユーザーが3万7000。17万件の口コミが書き込まれ、画像は42万枚が掲載されています。着実にユーザー数を伸ばしており、4か国語にも対応。グローバル版への展開も開始しました。特に台湾、香港、韓国などのアジア市場を狙っているようです。ユーザー拡大には動いているものの、店舗との契約がとれないという弱点があります。

一方、セレスはポイントサイトを軸とした企業や店舗などへの営業力が最大の強み。同社は7月3日にO2Oやオムニチャンネルなどの「ゆめみ」の株式50%超を取得し、連結子会社化しています(詳しくはこちら)。セレスはこれをきっかけに、多店舗展開する飲食チェーンに対してオムニチャンネル支援を強化する戦略を打ち出しました。店舗の露出が増えるということをエサに、シンクロライフは営業ツールとして大活躍しそう。ギンカン、セレス両社にとってメリットは高いです。

更に、セレスは子会社マーキュリーを通して仮想通貨取引所開設を準備。マイニングなども同時に行っています。ゆくゆくはポイントメディアを仮想通貨として流通させて規模を拡大し、取引所からの莫大な収益を狙っているのでしょう。そこにSynchroCoinを流通させる。それもまた、両社のメリットが高いものとなります。今回の提携は規模こそ小さいですが、仮想通貨にとっては大きな意味を持ちそうです。

麦とホップ@ビールを飲む理由