【アドベンチャー】2年ぶりに買収を再開したネット航空券の雄

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異業種子会社、コロナ禍の「穴」を埋められず

さらにゲームアプリ開発のenish(東京都港区)からファンションレンタルサービス「EDIST.CLOSET」事業を3700万円で取得すると発表。2016年1月にスタートした「EDIST.CLOSET」はプロのスタイリストが監修したコーディネートをセットで顧客に届けるファッションサービスだ。

「EDIST.CLOSET」事業の業績は売上高1億3500万円、営業損失7400万円と振るわなかったが、アドベンチャーはオンライン予約サービスで培ったシステム開発や広告・集客ノウハウを応用することで同事業の成長を加速できると判断し、傘下に取り込んだ。

2019年1月にはツアー企画のラド観光(大阪市。売上高61億5000万円、経常利益9200万円、純資産4億5800万円)の全株式を10億5000万円で取得し、完全子会社化した。同社は1968年に設立し、西日本で航空券の発券やバススキーツアーなどの旅行サービス・商品を販売していた。オンライン予約サービスで得た広告・集客のノウハウを応用し、新たな顧客獲得などを通じてラド観光の事業拡大を狙った。

一連の買収企業のうちTETとラド観光、それに予約サイトを支えるアプリ開発のAppAgeを除く4社は、アドベンチャーにとっては畑違いの業種。航空券予約サイト以外のビジネスを取り込む多角化戦略の一環で、経営の安定を図るためのM&Aと言えるだろう。ところが、その目論見はコロナ感染の拡大で吹っ飛ぶ。

コロナ感染拡大で政府は2020年春以降に何度も非常事態宣言を発出し、国民や企業に旅行や出張を含む県境をまたぐ移動の自粛を求めた。その影響で航空券予約が激減し、アドベンチャーの業績も急降下した。こういう時のために買収した異業種の子会社だったが、期待していたほどの成果は出せなかったようだ。買収した他業種企業を次々と売却し始めた。

M&A Online編集部

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