安川電機<6506>は2025年度に向けてM&Aを積極化する。メイン事業であるモーションコントロールやロボットはもちろん、電気自動車や風力、太陽光発電なども対象とし、2025年を最終年とする経営計画「2025年ビジョン」の達成を、M&Aを駆使して目指す作戦だ。
エレベーターのメンテナンス(保守・管理)で独立系として業界トップに立つジャパンエレベーターサービスホールディングス(HD)。近年、国内のM&A市場でもにわかに存在感を高めている。ここ2年間に手がけた企業買収は10件を超え、ベトナムでは同社初の海外M&Aに踏み切る。
デイサービス(通所介護)、有料老人ホームの運営などの介護事業を手がける揚工舎<6576>がコツコツとM&Aを積み上げている。個々の案件規模はさほど大きくないものの、その数は16件に達する。同社は東京プロマーケットの上場銘柄(44社)で唯一の介護事業者でもある。
日本電産が2020年度を最終年度とする中期戦略目標「Vision 2020」達成に向け正念場を迎えている。その目標達成のカギを握っているのが車載モーター分野でのM&Aだ。
国内企業によるM&Aを語る上で欠かせない日本電産。日本電産がM&Aの巧者である理由について検証したい。
光学機器やFA関連の電子機器事業を展開しているテクノホライゾン・ホールディングスがM&Aを加速している。同社自身もM&Aで誕生した会社だが、その歩みは決して順風満帆といえるものではなかった。度重なる経営の難問を解決する原動力はM&Aだった。
2008年に日本ビクターとケンウッドが統合して誕生して以来、波乱万丈の経営が続いてきたJVCケンウッド。2020年3月期の売上高は約2913億円と、経営統合時の約8200億円に比べ3分の1近くまで縮小している。巻き返しのカギはM&Aだ。
血圧計などのヘルスケア商品をはじめ制御機器や電子部品などを手がけるオムロンが8年ぶりに企業買収に踏み切る。2023年10月に医療データサービスのJMDCをTOBで子会社化するのだ。買い付け代金は最大855億円に達する。
メルコホールディングスはパソコン周辺機器のトップブランド、「バッファロー」を中核会社にグループを形成する。パソコンからスマホ、タブレットに市場が大きくシフトする中、経営は曲がり角に立つ。4月には製麺大手、シマダヤを完全子会社化するのだが…。
NECが今世紀4回目となるリストラを断行する。今回のリストラでは、ものづくり関連事業を大胆にカットする一方で、情報システムやサービスといったソフトウエア関連事業に力を入れる。その要となるのが2018年1月の大型M&Aで強化したセキュリティー事業だ。
ビジネスモデルの変革を旗印に、富士通がハード製造からICTサービス企業に経営の軸足を急ピッチで移しつつある。パソコン事業に続き、携帯電話事業の売却を決断。事業構造改革とM&Aを表裏一体で推進し、“撤退戦”もようやく一段落する形だ。
富士通は過去に海外企業の買収で失敗した苦い経験を持つが、優良子会社のファナック株を売却することによって危機を乗り越えてきた。最近ではニフティの完全子会社化にも踏み切るなどM&Aへの積極姿勢を鮮明にしている。
国産ロジック半導体の「最後の砦」であるルネサスエレクトロニクスはM&Aで誕生した。しかも、その生い立ちは暗い。1989年には日の丸半導体が世界を席巻したが、30年余りで日本企業の撤退が相次いだ。その「撤退戦」を引き受けたのがルネサスだった。
「2018年度に向けて(M&Aなどで)戦略投資として1兆円を投じる」 パナソニック<6752>の津賀一宏社長は2015年度の事業方針発表会で、こう高らかに宣言した。2011年に陥った業績不振から脱却し、創業100周年となる2018年からは再び成長軌道を描ける企業に変身させるのが狙いだ。これまで戦略投資は着実に実施しており、あとは現在の事業計画の最終となる2018年1年を残すのみとなった。パナソニックの成長力を左右する2018年のM&Aにはどのようなドラマが隠されているのか。投資家のみならず、多くの関係者の視線が自ずと集まる。
ソニ-が自動車会社になる日は訪れるだろうか。2020年までの3年間は安定した収益が見込める楽曲著作権で支え、その後は車の自動運転で利益を生み出そうとするソニーの戦略が見えてきた。初の商品を多く生み出してきたソニーだけに期待は大きい。
世界シェア首位のイメージセンサー事業で復調のソニー。80年代の巨額買収、時代に合わせた商品開発。ここまでの好調、低迷、そして復活までを振り返る。
アルプス電気は傘下のアルパインと2019年1月に経営統合する。当初予定より期日を3カ月前倒しする。グループ内再編とはいえ、電子部品と車載情報機器を主力とする上場企業同士の大型M&A。新体制への移行でグループ売上高1兆円の実現に弾みがつくか。
カセットテープのトップブランドだった「マクセル」。カセットテープは今も使われているが、最盛期に用いられた音楽録音用媒体としては次々に登場する新しいメディアに主役を奪われた。カセットテープの凋落後、マクセルは波乱万丈の歴史を刻むことになる。
フェローテックホールディングスは、1980年に米フェローテックの日本子会社として設立されたが、半導体大国だった当時の日本市場で業績を伸ばし1987年に独立した。豊富な資金力を背景にM&Aにも積極的に取り組んでおり、事業拡大につながっている。
電子部品メーカーのローム<6963>がパワー半導体事業で攻勢をかけている。パワー半導体の大手である三菱電機<6503>や東芝<6502>もSiCの育成に力を入れており、今後各社の競争が激しくなりそうだ。
京セラ株式会社<6971>は、鹿児島県出身の稲盛和夫氏(現名誉会長)がファインセラミックス製造業として、京都の地に「京都セラミック株式会社」として設立したのが起源である。稲盛氏は経営管理手法「アメーバ経営」を広め、JALの経営再建についても手腕を発揮した。今回は同社のM&A戦略を含めた成長戦略について検証する。
京都に本社を置く電子部品メーカー、村田製作所。積層セラミックコンデンサを始め世界シェア1位の製品が売上高の8割を占めるという超優良企業だ。スマートフォン市場の拡大で飛躍的な成長を遂げ、M&Aも駆使して自動車、医療、エネルギー分野に展開する。
双葉電子工業は蛍光表示管(VFD)、有機ELディスプレー、タッチセンサー、複合モジュール、産業・ホビー用ラジコン機器などの電子デバイス製品や金型用器材、生産器材などを手がける製造業。これだけ幅広い製品を提供できるようになった理由はM&Aだ。