M&A法制を考える 買収防衛策の適法性を巡る議論(下)
買収防衛策を巡って活発な議論が行われるのは、日本の買収やその防衛策の法理は欧米とは異なるため、当然であり、今後のM&Aマーケットの発展のためには有益なことであると思われる。
吉村一男
| 2022/11/4
2022.11.04
3つ目は、日本は、取締役会や会社役員が会社売却に関連して株主の最善の利益のために行動しない場合に、その責任を問う強力なエンフォースメント・メカニズムが欠如していることである。
一部のアクティビスト株主は、紛争性のあるM&A取引に関して、取締役会の決定に異議を唱えるために日本の裁判所で訴訟を起こすが、そのような株主は、「個人ベースの訴訟」を起こす必要がある。そのため、そのような訴訟の金銭的コストをすべて負担することになる...
買収防衛策を巡って活発な議論が行われるのは、日本の買収やその防衛策の法理は欧米とは異なるため、当然であり、今後のM&Aマーケットの発展のためには有益なことであると思われる。