東証、SPAC 上場制度の投資者保護上の論点整理を公表

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キャピタル・マーケッツ:東証、SPAC 上場制度の投資者保護上の論点整理を公表

 SPAC(Special Purpose Acquisition Company)とは、買収を目的に投資ファンドや著名な投資家がスポンサーとして設立するビークルであり、買収対象が未定のまま上場し投資家から直接資金調達を行い、その後に未上場会社を買収(De-SPAC)することで当該未上場会社の上場を実現する(投資家は未上場株式への投資機会を得る)ことが企図されています。米国では2020年以降SPACの利用が活発となっています。
 日本でも2021年6月18日に閣議決定された成長戦略実行計画においてSPACについて検討することとされ、東京証券取引所は、2021年10月より「SPAC制度の在り方等に関する研究会」(「本研究会」)を設置して、SPACの上場制度について議論していますが、2022年2月16日、「SPAC上場制度の投資者保護上の論点整理」を公表しました(「本論点整理」)。

 本論点整理においては、日本におけるSPAC導入の意義・必要性について、スタートアップのリスクマネー調達手段となり得る、また、機関投資家の観点からは、PE投資と同様のオルタナティブ投資の対象になり得るとの指摘がなされた上で、SPAC上場制度導入における投資者保護上の論点として、①SPACの対象投資者層、②SPACスポンサーと一般株主との間における構造的な利益相反の存在等を踏まえた、SPAC上場時におけるスポンサーに係る情報開示、③SPACの上場要件や流動性等に関する枠組み、④De-SPACにおける合併・買収のガバナンス確保の方策、⑤De-SPAC後の企業の上場適格性の確認プロセスの在り方等が挙げられています。

 本論点整理で挙げられた各論点については、本研究会において引き続き検討がなされるとされており、また、同月17日に開催された金融審議会「市場制度ワーキング・グループ」第15回会合においても、本論点整理を受けてSPAC制度の導入及び制度の在り方について議論がなされています。かかる検討・討議を踏まえて、日本における具体的な制度整備が進むことが予想されるため、今後議論の動向を注視する必要があります。なお、日本におけるSPAC導入にあたり検討すべき課題の方向性については、当事務所の CAPITAL MARKETS BULLETIN 2022年1月号(Vol.59)「諸外国におけるSPAC制度の導入と日本版SPAC」もご参照ください。

<参考資料>
SPAC 制度の在り方等に関する研究会:「SPAC 上場制度の投資者保護上の論点整理」
https://www.jpx.co.jp/equities/improvements/spac/nlsgeu000005s68v-att/nlsgeu0000066ga8.pdf

パートナー 鈴木 克昌
シニア・アソシエイト 森田 理早

森・濱田松本法律事務所 Client Alert 2022年3月号(第99号)より転載

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