M&A法制を考える 買収防衛策の適法性を巡る議論(中)
米国デラウェア州の判例法は日本の判例法と異なり、買収防衛策の導入・発言を「取締役会」のみで決するが、買収防衛策の適法性はどのように判断しているか。
M&A:経済産業省、『「スピンオフ」の活用に関する手引』を改訂
2022年9月16日、経済産業省は、『「スピンオフ」の活用に関する手引』の改訂版を公表しました。
今回の改訂では、①Q&Aの追加・修正による関係法令の解釈の明確化、②産業競争力強化法に基づく特例措置(産業競争力強化法31条1項の規定によるスピンオフの際に取締役等が負う欠損填補責任の立証責任の転換等)の解説の追加、③国内のスピンオフ事例の追加等が行われ、スピンオフを行う際に活用できる施策や実務上の論点となり得る事項を中心に内容が追加されました。
上記①のQ&Aとして、具体的には、株式分配によるスピンオフを行う場合、事業譲渡等にかかる株主総会決議(会社法467条)が不要であること(Q5)や、スピンオフされる会社がスピンオフと同時に新株の発行を予定している場合にスピンオフを実施する会社が当該事実を適時開示資料や株主総会参考資料等において記載することは、スピンオフをする会社の株式に係る投資者の投資判断や株主によるスピンオフ議案の検討に必要である等の理由があるときには、有価証券届出書の提出前であっても勧誘行為に該当せず、可能であること(Q22)等が追加されており、実務上の手続を検討する上で参考になるものと考えられます。
パートナー 大石 篤史
アソシエイト 松尾 博美
米国デラウェア州の判例法は日本の判例法と異なり、買収防衛策の導入・発言を「取締役会」のみで決するが、買収防衛策の適法性はどのように判断しているか。
米国では2020年に実施されたIPO全体の5割強がSPAC(Special Purpose Acquisition Company)の上場であり、日本でも実現を望む声が多数聞かれていたところです。