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6月に公式アプリをリリース(画像はプレスリリースより)

500億円でMBOを実施、キー局が株主に

吉本興業は2009年9月に元ソニー会長の出井伸之氏が率いるコンサルティング会社「クオンタムリープ」のTOBに賛同。上場を廃止すると発表しました。これは実質的なMBOです。

この時のスキームはクオンタムリープが立ち上げたSPC(特別目的会社)に、各テレビ局やソフトバンク、ヤフー、広告代理店などが出資。銀行からの借り入れによるレバレッジをきかせ、500億円を調達。市場の株式を買い取るというものでした。

吉本興業は非上場による成長促進で再上場を目指す意思はありませんでした。当時はグローバル化(特にアジア戦略)を進めており、経営判断を迅速に行うことが重要になると考えたのです。すなわち、非上場化して各メディアなどを主要な株主にすることが、MBOの目的でした。

結局、吉本興業のグローバル展開は上手くいきませんでした。ソフトバンクと共同で催したお笑い大会「S-1バトル」は、2年ほどで終了しています。賞金1億円というソフトバンクらしい企画で、現在のお笑いバトルの先駆けになるようなイベントでした。しかし、時代を先取りしすぎたのか投資に見合う成果を得られませんでした。

当初目論んでいた経営戦略は思うようにいかず、MBO時に抱えた莫大な借金の返済による現金や剰余金の減少が、現在の財務状況の悪化(特にバランスシートのいびつな構成)に繋がっていると考えられます。

最後に、吉本興業の株主構成を見てみましょう。同社はサイトをリニューアルする前の2012年ごろまで、コーポレートサイト上に株主を明記していました。下の表はそのときのものです。

テレビ局や大手広告代理店、ソフトバンク、KDDIなどの通信業、パチンコの京楽産業、角川などのメディア関連が並んでいます。

〇吉本興業の株主構成

企業名株式数割合
株式会社フジ・メディア・ホールディングス 60,000 株 12.13%
日本テレビ放送網株式会社 40,000 株 8.09%
株式会社TBS テレビ 40,000 株 8.09%
株式会社テレビ朝日 40,000 株 8.09%
大成土地株式会社 40,000 株 8.09%
京楽産業 株式会社 40,000 株 8.09%
BM 総研株式会社
※ソフトバンク子会社
30,000 株 6.07%
株式会社テレビ東京 20,000 株 4.04%
株式会社電通 20,000 株 4.04%
株式会社フェイス 20,000 株 4.04%
朝日放送株式会社 12,400 株 2.51%
株式会社三井住友銀行 12,000 株 2.43%
ヤフー株式会社 10,000 株 2.02%
大成建設株式会社 10,000 株 2.02%
岩井証券株式会社 10,000 株 2.02%
株式会社毎日放送 10,000 株 2.02%
株式会社シーエスロジネット 10,000 株 2.02%
株式会社ドワンゴ 8,000 株 1.62%
松竹株式会社 7,000 株 1.42%
KDDI 株式会社 6,000 株 1.21%
株式会社CELL 6,000 株 1.21%
住友信託銀行株式会社 6,000 株 1.21%
株式会社みずほ銀行 6,000 株 1.21%
関西テレビ放送株式会社 5,000 株 1.01%
讀賣テレビ放送株式会社 5,000 株 1.01%
東宝株式会社 5,000 株 1.01%
株式会社角川グループホールディングス 5,000 株 1.01%
株式会社タカラトミー 5,000 株 1.01%
株式会社博報堂 2,800 株 0.57%
テレビ大阪株式会社 2,000 株 0.40%
株式会社博報堂DY メディアパートナーズ 1,200 株 0.24%
クオンタムリープ株式会社 60 株 0.01%

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