ジャパンディスプレイ 200億円超の営業赤字に

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※画像はイメージです

INCJ(旧・産業革新機構)との関係は

 このため、今後も外部資金に頼った資金繰りが続く見通しだ。JDIは筆頭株主である(株)INCJ(TSR企業コード:033865507)から債務保証を受けている。これを基にJDIは銀行団と総額1,070億円のコミットメントライン契約を締結している。契約期間は1年で、次の期日は2019年8月7日だ。
 赤字が続くJDIに担保や保証なしで金融機関が資金を貸し出すのは難しい。債務保証の更改は資金繰り維持に欠かせず、場合によっては追加支援も必要な局面も予想される。
 この点について大島常務は、「コミットメントラインの更改やINCJが保有する株式や債権への引き続きの支援を頂けると認識している」とコメント。「追加支援は我々(JDI)がコメントする立場にない」と語るにとどめた。INCJが保有する「債権」について、JDIの広報担当者は東京商工リサーチの取材に、「INCJからの短期借入金や債務保証が該当する」と語った。

グローバル企業とのパートナーシップは

 JDIはこれまでグローバル企業とのパートナーシップ構築を掲げ、中国や台湾企業と出資交渉を進めている。2月12日、こうした企業連合がJDIに数百億円規模で出資する見通しと報じられたが、JDIは「現時点で決定している事項はない」とリリースしている。
 合意に至っていないが、交渉は進捗しているとの見方がある。だが、INCJのJDIの議決権等保有割合が20%以下となった場合、もしくは第三者の保有割合が20%超となった場合、債務保証を解除できる旨の契約がなされている。JDIの取引先は出資交渉の進展に期待をつなぐが、債務保証との兼ね合いも懸念している。今回、懸念は和らいだとはいえ、グローバル企業とのパートナーシップの結論は出ておらず、年度末に向けて目が離せない状況が続く。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2019年2月18日号掲載予定「Weekly Topics」を再編集)

東京商工リサーチ「データを読む」より

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