与党税制大綱、中小再編に関する新税制も

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与党税制改正大綱、株式対価M&Aの課税繰延拡充など明記

自民、公明両党は12月10日、2021年度の与党税制改正大綱を正式決定した。新型コロナウイルスの影響を踏まえた減税対応が中心で、株式対価M&Aを促進する新たな措置や、中小企業の経営資源の集約化に資する税制の創設などを明記した。これらの項目は、経済産業省が財務省に提出した2021年度の税制改正要望に盛り込まれていた。

自社株式を対価としたM&Aをめぐっては、被買収会社株主の株式譲渡益・譲渡所得に対する課税繰延措置を拡充。企業間の国際競争も激化する中、機動的な事業再構築を活発化させる。

現行法の枠組みで課税を回避するには産業競争力強化法における特別事業再編計画の認定が必要で、課税繰延は2021年3月末までの時限措置となっている。与党税制改正大綱では、自社株式と併せて金銭などを交付する混合対価も一定程度認めるとともに、期限を定めない恒久措置とするとした。

買収後リスクの準備金、損金算入を容認

また、中小企業の経営資源の統合・事業再構築を優遇する税制の創設でもM&Aを後押しする。経営資源の集約化で生産性向上などを目指す計画の認定を受けた中小企業が、被買収会社の簿外債務や偶発債務などの顕在化リスクに備えて準備金を積み立てた場合は、税法上の損金に算入することを認める。

統合・事業再構築で生産性向上などを目指す計画に必要事項を記載して認定を受けた中小企業には、一定の設備投資を行う際に優遇措置を受けられる中小企業経営強化税法を適用する。

さらに、所得拡大促進税制(賃上げ税制)の上乗せ要件に必要な計画の認定を不要とし、M&A後の積極的な投資や雇用の確保を促す。

政府は12月中に税制改正案を閣議決定し、年明けの通常国会に関連法案を提出、2020年度内の成立を目指す。

文:M&A Online編集部

関連リンク令和3年度税制改正大綱 (nifcloud.com)
関連リンク【M&A】経済産業省、自社株対価M&Aの課税繰延措置を要望 - M&A Online

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