スポーツクラブ大手の2022年4~9月期(中間)決算はコロナ禍による行動制限の緩和などを背景に2ケタの増収を確保したものの、エネルギー価格の高騰が採算改善に立ちはだかった。水道光熱費の上昇が想定以上の水準で推移したことで、本業のもうけを示す営業利益を圧迫し、業界トップのコナミスポーツは60%を超える減益となった。
コナミグループ傘下のスポーツ事業(コナミスポーツ)の4~9月期の部門業績は売上高が前年同期比12.6%増の225億円、営業利益は62.4%減の3億円だった。
同社はコロナ禍を契機に、直営店を主体とする事業展開を転換。自治体などからのスポーツ施設の運営受託に軸足を移し、固定費負担が少ない利益重視の経営のかじを切った。しかし、足元はエネルギー価格高騰によるコスト上昇が直撃し、大幅減益を余儀なくされた形だ。
コナミの9月末の施設数は383。コロナ前に180を超えていた直営店は153施設に減る一方、運営受託は現在230施設に拡大し、直営店をしのぐ。ライバルのセントラルスポーツは直営182・受託60施設、ルネサンスは直営104・受託24施設、ティップネスは直営167(総合型57、24時間ジム110)・受託15施設で、コナミと対照的だ。
ジム、スタジオ、プールを備える総合型スポーツクラブでは空調・照明やプール、浴室などの運営にかかる水道光熱費が跳ね上がっているうえ、施設管理費の負担も増している。
セントラルは営業利益について当初14億円を見込んでいたが、予想を4割下回る8億5200万円で着地した。ルネサンスは前年同期比89.5%の大幅営業増益となったものの、9600万円と低レベルにある。
会員動向(スクール会員を含む)をみると、セントラルが前年同期比0.3%の微増に対し、ルネサンスが同11.3%の2ケタ増だった。
ティップネスは中間期として3期連続の営業赤字。赤字幅は2億5100万円と前年同期の16億円超から大幅に縮小したものの、赤字脱却は果たせなかった。
2023年3月期(通期)の営業利益はコナミ10億円(前期比10倍)、セントラル31億6000万円(同2.1倍)、ルネサンス10億円(同9.5%増)を見込む。売上高はそろって通期で2ケタ増を確保する見通し。ティップネスは通期予想を公表していないが、3期ぶりの営業黒字を悲願としている。
◎スポーツクラブ大手の2022年4~9月期業績(単位億円、△は赤字)
売上高 | 営業利益 | 直営店舗 | |
コナミスポーツ | 225(12.6%増) | 3(62.4%減) | 153 |
セントラルスポーツ | 213(10.1%増) | 8.52(1.8%減) | 182 |
ルネサンス | 198(12.7%増) | 0.96(89.5%増) | 104 |
ティップネス | 130(18.9%増) |
△2.5(△16.6) |
167 |
文:M&A Online編集部
回転ずしチェーン「はま寿司」や、牛丼チェーン「すき家」などを運営するゼンショーホールディングスは、 京都大学大学院医学研究科に共同研究講座「食と健康科学研究講座」を開設した。
解約返金などで顧客とのトラブルが続く脱毛サロン「キレイモ」を運営するヴィエリスは9月28日、借入金の代物弁済で一部店舗を不動産投融資コンサルのGFAに譲渡すると発表した。