「物価高倒産」過去最多の2倍以上に急増 消費者は飲食を中心に出費を抑制 コンビニにも厳しい視線が

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帝国データバンク(東京都港区)が、物価高による倒産状況を調べたところ、2022年度上半期(4-9月)の件数は159件となり、調査を始めた2018年以降で最多だった前年同期(75 件)から2倍以上に増加していることが分かった。9月単月は35件で、月間最多だった8月(34件)上回り、3カ月連続で最多を更新した。

一方、朝日大学マーティング研究所(岐阜県瑞穂市)は、最近の物価高の環境下における消費者の行動について調査したところ、半年前に比べて利用頻度が減っているとの回答が多かったのは居酒屋チェーン、ファミリーレストランの飲食店で、これに加えコンビニも上位に入った。

帝国データバンクでは、物価高倒産が「年末にかけてさらに増える見込み」としており、朝日大学マーティング研究所の調査結果を合わせると、食品関連での倒産が一段と増えそうだ。

年末にかけて一段と倒産が増加

帝国データバンクがまとめた2022 年度上半期に発生した159件の倒産のうち、運輸業が37件と、全体の23%ほどを占めた。次いで総合工事の24件、飲食料品製造の13件といった順で、飲食料品卸売りも8件に達し、上位を運輸、建設、食品関連の3業種が占めた。

電気代の上昇や円安の進行により、物価高の影響が徐々に本格化していると分析したうえで、総合経済対策による物価高への効果がすぐに表れるかは不透明な部分が多いことから、例年、企業倒産が相次ぐ年末にかけて「物価高倒産はさらに増加していく可能性がある」と警鐘を鳴らしている。

飲食関連企業が厳しい状況に

朝日大学マーティング研究所の調査で、飲食系に次いで、コンビニの利用頻度が減っていることについて、同研究所では割り引きの印象が薄く、便利さを特徴とするコンビニに、物価高が不利に働いているとしている。

同調査では、スーパーの利用頻度は変わらないとの回答が多く、ドラッグストアにも同様の傾向が現れた。スーパーやドラッグストアは物価高の環境でも安定感があることが浮き彫りになった。

さらに価格上昇に伴って、購入や支出を控えたいとの意向が強いのは、水道光熱費、外食の食費、食事以外の飲食費(菓子、ケーキなど)などで、今後も飲食関連企業にとっては厳しい状況が続きそうだ。

同研究所は2022年8月29、30日にインターネットを介して、首都圏の20代から60代までの男女400人から回答を得た。

文:M&A Online編集部

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帝国データバンクが、物価高が原因の倒産件数を調べたところ、2022年1-7月は116 件に達しており、調査を始めた2018年から、2021年までの4年間の年平均の110件(累計は442件)を上回ったことが分かった。