ネットとリアルの融合 アマゾンがホールフーズを買収

※この記事は公開から1年以上経っています。
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こんにちは。ビズサプリの花房です。先日のニュースで、アマゾンがアメリカの高級スーパーのホールフーズを、1.5兆円で買収するという話が出ました。

ホールフーズをご存知ない方もいらっしゃると思いますが、日本で言えば成城石井やスーパーの紀伊國屋みたいなもので、中高所得者層向けの大型スーパーと想像して頂ければと思います。ホールフーズは全米他で460店を展開し、売上高は157億ドルもある巨大スーパーです。

アマゾンはネットでの書籍販売からスタートし、あらゆるものをネットで販売する世界最大の小売店なのですが、最近はリアル店舗にも力を入れていて、これからのIT企業の方向性を示すものと言えます。体験するというリアルの良さと簡単手軽に時間を節約できるネットの良さを融合し、より顧客満足を高められるサービスを提供できるかどうかが、今後企業が存続していく秘訣のように思います。

1.RPAとは

皆さんは"RPA"という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか?これは、ロボティック・プロセス・オートメーションの略で、分かりやすく言えば、「パソコンを使った定型的な繰り返し作業を、ソフトウエアのロボットに肩代わりさせて自動化する技術」と説明されています(「2017年5月23日付日経新聞電子版」より)。つまり、単純作業を自動で行うソフトウェアですが、その自動化する過程すらもAIの発達により、コンピュータが自分で開発していく、というわけです。

コンピュータはプログラムされた業務を高速で行うには長けていますが、行うべき業務やそのやり方を判断するのは苦手でした。AIの発達によって、今後はコンピュータが定型業務のパターンを学習し、それに見合ったプログラムを開発、処理を行ってくれるのであれば、人海戦術に頼っていた作業効率を何倍にもできる、ということになります。

この時に重要なのは、現状の業務をそのままソフトウェアに委ねるのではなく、そのプログラムされたロボットがいることを前提に、業務を再設計するということのようです。現状の業務フローを置き換えるだけでは、その一部業務をロボットに引き渡すための人手による作業というのが新たに生じ、逆に導入前よりも工数がかかってしまい、むしろ不効率になるということもあり得るからです。

しかしこの考え方はRPAだけにあてはまるものではなくて、システム導入全般に言えることです。システムは決まった作業を行うことは人間より得意なので、システムがどういうことが出来るかを分かった上で、業務プロセスを最も効率的に行うにはどのように現行の業務を変えたらいいか、改めてデザインし直さないと、真の効率化は図れません。

2.ゲームチェンジの時代

ちょうど1週間前に、GEのCEOであるイメルト氏の退任が発表されました。
在任期間は16年ということで、その間に就任時は金融に頼っていたGEを、再び製造業中心の会社に回帰しようとしてきました。目指す先は、「インダストリアル・インターネット」のビジョンを掲げて、IoTを駆使し、製造業とITの融合を目指していた過程にありました。そういう意味では道半ばという感じもしますが、GEのように人材とお金があっても、巨大すぎてスピード感を持った改革は難しいことの表れのような気がします。

最近のアメリカにおける時価総額の上位5銘柄は、アップル、グーグル(アルファベット、という持株会社で上場)、マイクロソフト、フェイスブック、アマゾンで、いずれもITで先行している企業であり、未だに成長に勢いがあります。イメルト氏就任の16年前はグーグル、フェイスブック、アマゾンは上場していませんでしたが、今やいずれも時価総額が2倍、3倍と、企業価値が完全に逆転し、企業の栄枯盛衰を表しています。

冒頭のアマゾンによるホールフーズの買収もそうですが、様々な業界でゲームチェンジが起きています。移動手段のウーバーしかり、宿泊施設ではAirbnb、自動車メーカーではテスラ、メディアではネットフリックス等、新たな事業モデルの誕生で、各業界で5年後、10年後の業界リーダーがどこになっているかすら、想像がつかない状況です(それが今はまだ誕生していない会社であることも十分あり得ます)。

これだけITによる技術革新を起点としたイノベーションが起きる中で、ビジネスモデルだけでなく、会社内部のオペレーションも、劇的に変わる可能性があります。RPAはその起爆剤となるかもしれません。なぜそう感じているかを次で説明します。

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