高知県のご当地銀行の筆頭は、高知市に本社を置く四国銀行<8387>である。ご多分に漏れず、明治初期に全国で設立が進んだ国立銀行がその源流で、1878年10月に創立された第三十七国立銀行に端を発する。
第三十七国立銀行は、香川県丸亀に創立してのちに高知に本拠を移した第百二十七国立銀行を1896年に合併した直後、国立銀行の営業年限である20年を迎え、1897年に高知銀行(現在の高知銀行とは別の組織)に改称した...
横浜銀行の前身は1920年に設立された横浜興信銀行であり、今年で100周年を迎える。だが、その横浜興信銀行には、横浜銀行にとって“前史”とも呼ぶべき歴史がある。その源流の一滴をたどると、横浜為替会社という日本初の会社組織の金融機関が現れる。
群馬県を代表する銀行は、前橋市に本店を置く群馬銀行である。その創業は1932年、群馬大同銀行の設立とされている。昭和期に入ってからの創業は、比較的新しい銀行のような印象を受ける。だが、その「大同」では前橋・高崎の激しい攻防が繰り広げられた。
福島のウォール街。その通りには1899年、東北地方で最初に開設された日銀福島支店がある。福島県のトップ地銀・東邦銀行もその一角に本店を構えている。「国策によって生まれた」銀行だが、県内トップバンクとして独自色を強めた取り組みも行っている。
“ご当地銀行”の合従連衡史の5回目は、岩手県。岩手県には“盛岡のウオール街”と呼ばれる中ノ橋通がある。岩手銀行赤レンガ館、もりおか啄木・賢治青春館、盛岡信用金庫本店。盛岡の中心街、通りに並ぶ往時の銀行建築群から地方金融史をたどっていく。