日本各地の「地銀」のルーツをたどってみよう。そのM&A=合従連衡の歴史をひも解けば、銀行や金融経済の成り立ちはもちろん、日本の伝統産業、商業の集積の移り変わり、各都道府県内にある市町村の歴史の“格”の変遷なども見えてくる。
“ご当地銀行”の合従連衡史の28回目は、伊予銀行<8385>。地元では「いよぎん」の名で親しまれる銀行だ。そのルーツは第二十九国立銀行と第五十二国立銀行。2つの国立銀行と周辺の私立銀行がさまざまなM&Aを重ねて誕生した銀行である...
きらぼし銀行は2018年5月に設立された東京の地銀。八千代銀行、東京都民銀行、新銀行東京の3行の合併によって生まれた。東京において大手行に隠れ、ちょっと影が薄い存在かもしれないが、実はその大手の間隙に活路を見出し、着実に市場に根づいている。
栃木県の地方金融機関の代表格は足利銀行である。帝国データバンク調査では県内占有率は47.4%。県内企業の約半数が足利銀行をメインバンクとしている。2003年の「足銀ショック」を経て、足利銀行と県内企業はどのような復活の道を歩んできたのか。
山形銀行は第八十一国立銀行が源流で、その営業終了の際に両羽銀行が業務を継承し、両羽銀行は1965年に山形銀行と改称した。明治後期から昭和の中期までの両羽銀行時代は、まさにM&Aラッシュの時代だった。その躍進の背景には、同族経営があった。
“ご当地銀行”の合従連衡史の3回目は、青森。青森にはみちのく銀行と青森銀行の2つの有力地銀があるが、行員数、支店数などで、ほぼ互角の両銀行の歴史をたどっていくと、県内の主要都市である青森市と弘前市の“せめぎ合い”の歴史が感じられる。