精養軒は上場廃止後の組織改革として、以下の4点に取り組むとしています。
1.徹底した業務の効率化によるコスト削減
2.幅広い顧客層を獲得するための新規事業拡充及び広告宣伝強化
3.人材の育成と確保
4.上野本店の大規模リニューアル
ポイントとなるのは旗艦店である上野店のリニューアルでしょう。もともと躯体の老朽化が激しく、耐震補強や設備の強化が必要でした。2018年2月に精養軒は三井不動産との間で、所有する六本木の不動産に対して事業用定期借地権設定契約を締結。不動産の活用でリニューアル資金を調達していました。しかし、商環境が激変したことでリニューアル計画は白紙に戻ります。
既存のビジネスモデルが通用しないことが明らかになり、600人も収容できる大宴会場など施設の在り方そのものを見直す必要があります。コロナ禍から日常を取り戻した今こそ、リニューアルを行うべきでしょう。そのためには巨額の資金が必要なうえ、リニューアル期間は稼ぎ頭が不在になります。キャッシュフローが悪化するのは間違いなく、上場を維持したままプロジェクトを推進するのは無理があります。
上場廃止後に残る株主は、一般財団法人福島育英会、三井不動産株式会社、学校法人根津育英会武蔵学園(東京都練馬区)及び根津公一氏となります。
上場廃止後の経営方針や経営体制については決定しておらず、株主と協議しながら進めるとしています。
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