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伝説のラガーマン 松尾雄治さんの引退後の人生は? (中)

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酒を注ぐ側の司令塔に

 プロ・アマを問わず、スポーツの檜舞台で活躍した元選手が飲食店を開業すると、現役時代記念のものを飾るが、会員制のバー「リビング」にはそれがまったくない。「だれが経営しているのか絶対にわからない店にしたい」と

会員制のバー「リビング」でほほ笑む松尾さん(右)

いうのがポリシーだからだ。

 飲み放題、食べ放題で1人5500円。高級ウイスキーの「白州」とかプレミアム焼酎の「森伊蔵」など、銘柄を聞いたらびっくりするようなものばかりそろえている。いままで酒は注がれて飲む側で、「まさか注ぐ方になるとは思ってなかった」と苦笑。新日鉄釜石時代はおちょこ一杯でひっくり返っていた。その後徐々に飲めるようになったそうだ。

 カウンターとテーブル席に30人は入れるが、25人ぐらいが適切な混み具合。常連客はスポーツ関係者や芸能人が多い。財界人もよく来るという。連日満員の盛況だ。

 日本ラグビー史上屈指のスタンドオフと言われている。スタンドオフはゲームをコントロールするのが役割で、チームの司令塔などと呼ばれる。バスケットボールでいえば“コート上の監督”といわれるガード、サッカーのサイドバックのような重要なポジションだ。

 「常にまわりを見るようにしてます。あ、あそこはウイスキーが空いてるなとか、あそこはシャンパンが空いてるなとか、あのお客さんは何を飲んでるのかとか。そういうことに最近、おれは合ってるのかなって思うようになってきたのよ。4年経ってね」

 まさにスタンドオフの本領発揮。この界隈の飲食店では「ひとり勝ちです」と胸を張る。(次回に続く)

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文:大宮知信

大宮 知信 (おおみや・とものぶ)

1948年 茨城県生まれ。ジャーナリスト。政治、教育、社会問題など幅広い分野で取材、執筆活動をつづける。主著に『ひとりビジネス』『スキャンダル戦後美術史』(以上、平凡社新書)、『さよなら、東大』(文藝春秋)、『デカセーギ─漂流する日系ブラジル人』『お騒がせ贋作事件簿』(以上、草思社)、『「金の卵」転職流浪記』(ポプラ社)などがある。 


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