レッド・プラネット、51億円で取得したタイ事業をわずか1億円で手放すことに

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※画像はイメージ(Photo by Unsplash)

低価格ホテルを運営するレッド・プラネット・ジャパン<3350>が、2022年5月にタイの連結子会社6社を手放すこととなりました。レッド・プラネット・ジャパンがタイ子会社の借入金1億300万円の債務保証をしたものの、子会社が返済期日である2022年4月30日に元金と利息の支払いができなかったため。子会社6社の株式及び債権は貸付人であるExcel City Development Limitedに譲渡されます。実はこの会社はレッド・プラネット・ジャパンの大株主であるRed Planet Hotels Limitedの関連会社。レッド・プラネット・ジャパンは、2019年1月にタイのホテル事業をRed Planet Hotels Limitedから51億円で取得していました。

つまりレッド・プラネット・ジャパンは、グループ内のタイのホテル事業を51億円で買収し、3年後にその事業を1億円の借金のカタとしてグループ内の金融機関に取り上げられたことになります。

この記事では以下の情報が得られます。

・レッド・プラネット・ジャパンがタイの子会社を取得した内容

51億円の株式を割り当てたことで82.4%希薄化

レッド・プラネット・ジャパンは1999年6月に誕生したCD・レコードの企画制作販売会社であるダイキサウンドが前身。2013年4月にRed Planet Hotels Limitedが資本参加し、ホテル事業を本格化。タイ進出前に浅草、那覇などに出店し、5棟704室を運営していました。

タイは格安航空会社の拡充やビザ発給要件が緩和され、日本からタイへの観光客数が2017年に前年から50万人増の180万人になるなど、観光産業の成長が見込まれる有望市場でした。Red Planet Hotels Limitedはフィリピン、インドネシア、タイなど東南アジアを中心にホテルを展開しており、日本との親和性が高いタイ事業を2019年1月に日本法人のレッド・プラネット・ジャパンに売却することを決めます。

タイは資本規制があるため、外資系企業の保有比率は49%までに制限されています。そのため、レッド・プラネット・ジャパンは6社の株式をそれぞれ49%保有することとなりました。残り51%は、レッド・プラネット・ジャパンの代表取締役会長でRed Planet Hotels Limitedの取締役会長でもあるサイモン・ゲロヴィッチ氏の親族にあたるNina Alissa Gerovich氏が、優先株式として保有しています。

■レッド・プラネット・ジャパン買収前のタイ事業の株主構成

「子会社の異動を伴う Red Planet Hotels (Thailand) Limited 他5社の株式及び債権の取得、 現物出資のための第三者割当による新株式の発行並びに主要株主である筆頭株主の異動 (予定)に関するお知らせ 」より

優先株は議決権があるものの普通株式には転換できず、経営と運営はレッド・プラネット・ジャパンに同意する契約を締結しています。レッド・プラネット・ジャパンは株式の取得によって6社の実質的な経営権を掌握し、連結子会社化しました。

レッド・プラネット・ジャパンは株式のほかに金銭債権も買い取っています。株式が20億2,300万円、金銭債権が30億4,700万円。金銭債権はすべてRed Planet Hotels Limitedが保有していたものです。資本規制のあるタイでホテル事業を展開するにあたり、金銭債権が実質的な出資であるため株式と同時に買い取ったとしています。

■株式の取得価額

■金銭債権の内訳

債権者 債務者 債権額(千 THB)
Red Planet Hotels Limited Red Planet Hotels (Thailand) Limited 393,952
Red Planet Hotels Limited Red Planet Hotels Three (Thailand) Limited 160,760
Red Planet Hotels Limited Red Planet Hotels Five (Thailand) Limited 302,195
Red Planet Hotels Limited Food Capitals PCL 27,022
Red Planet Hotels Limited Nina Alissa Gerovich 12,750
合計 896,679(日本円換算30億4,700万円)

※「子会社の異動を伴う Red Planet Hotels (Thailand) Limited 他5社の株式及び債権の取得、現物出資のための第三者割当による新株式の発行並びに主要株主である筆頭株主の異動(予定)に関するお知らせ」より

レッド・プラネット・ジャパンは買収時に十分な現金を有していなかったため(2018年12月末時点で27億1,200万円)、株式による現物出資で賄いました。新たに253,524,537株を発行し、82.4%の希薄化が生じています。

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