カジュアル衣料のアダストリア「企業買収」に本腰 2026年2月期に売上高2800億円に

alt
東京都千代田区内のアダストリアの店舗「ジーナシス」

カジュアル衣料を展開するアダストリア<2685>が、企業買収を積極化する方針を打ち出した。同社は2026年2月期を最終年とする4カ年の中期経営計画の中で「不足していた検討プロセスと専任チームは整備済み」とし、M&Aに本腰を入れる姿勢を示した。

すでに2022年に入ってEC(電子商取引)サイトの拡充や、主力のアパレル以外の新規事業の立ち上げで、M&Aを実行しており、今後両分野での企業買収を加速させるほか、海外企業や、家具、化粧品メーカーなどを対象とした企業買収にも取り組む計画だ。

2026年2月期の売上高は、2022年2月期比38.9%増の2800億円、営業利益は同3.4倍の224億円を計画している。目標達成に向けM&Aがカギを握ることになりそうだ。

家具、化粧品、EC会社を優先

アダストリアは2022年2月に、レストラン「アロハテーブル」などを運営するゼットンを子会社化した。ファッションビジネスと飲食ブランドの融合による新規事業を展開するのが目的だ。

公園などの再生事業にも取り組む計画で、すでに横浜市の山下公園レストハウス周辺の改修プロジェクトに関わることが決まっている。

こうしたこれまでにない新しい分野でのM&Aを計画しており、食品小売り事業者やスタートアップなどを傘下に収める計画という。

また、同年3月に子供服EC(電子商取引)ブランド「pairmanon」を運営するオープンアンドナチュラル(東京都千代田区)を子会社化した。

EC専業ブランド事業の拡大が狙いで、今後も同様のECサイト運営会社やシステム開発会社の子会社化を検討する。

家具や化粧品メーカーについては、アダストリアの在庫管理や生産のノウハウが転用できるため買収に伴うリスクが低いと判断しており、すでに事業化しているECサービスと並んで優先的にM&Aを進める。海外企業についても、事業の成長スピードの向上を目的に、今後対象企業を絞り込んでいく。

関連記事はこちら
・アダストリア<2685>、外食のゼットン<3057>を第三者割当増資とTOBで子会社化
・アダストリア<2685>、子供服EC専業ブランド展開のオープンアンドナチュラルを子会社化

中計のスタート年は大幅増収増益に

アダストリアの2022年2月期の売上高は2015億8200億円で、前年度比9.6%の増収となった。コロナ禍で来店客数が大きく落ち込んだ前年度と比べると、店舗の営業状況が改善したことから2ケタ近い伸びとなった。

利益の方は、値引き販売の抑制や時短営業の協力金、雇用調整助成金、さらに為替差益などを計上した結果、営業利益は前年度比8.56倍の65億5600万円、経常利益は同2.73倍の81億6600万円と大幅な増益となった。当期利益は49億1700万円と前年度の6億9300万円の赤字から黒字に転換した。

中期経営計画のスタート年となる2023年2月期も、回復傾向は続く見通しで、売上高は同14.1%増の2300億円、営業利益は同52.3%増の100億円、経常利益は同22.5%増の100億円、当期利益は同28.1%増の63億円と、2年連続の増収増益を見込む。

2026年2月期に向けどのようなM&Aが飛び出すのか。関心が高まる。

【アダストリアの業績推移】単位:億円、2023年2月期は予想、2026年2月期は中期経営計画の目標

文:M&A Online編集部

M&A Online編集部

M&Aをもっと身近に。

これが、M&A(企業の合併・買収)とM&Aにまつわる身近な情報をM&Aの専門家だけでなく、広く一般の方々にも提供するメディア、M&A Onlineのメッセージです。私たちに大切なことは、M&Aに対する正しい知識と判断基準を持つことだと考えています。M&A Onlineは、広くM&Aの情報を収集・発信しながら、日本の産業がM&Aによって力強さを増していく姿を、読者の皆様と一緒にしっかりと見届けていきたいと考えています。


NEXT STORY

アルファレオが乾汽船株を売却「前澤友作氏」はアダストリアを買い増し 2022年3月の大量保有報告書

アルファレオが乾汽船株を売却「前澤友作氏」はアダストリアを買い増し 2022年3月の大量保有報告書

2022/04/05

M&A Online編集部が大量保有データベースで2022年3月の大量保有報告書などの提出状況を調べたところ、アルファレオホールディングスが、乾汽船の株式の保有割合を26.15%から4.37%に引き下げたことが分かった。