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19カ所目のゴルフ場を傘下に収めた「PGM」次に打ち出す手は

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平和<6412>傘下のゴルフ場運営会社パシフィックゴルフマネージメント(PGM、東京都台東区)は2024年10月に「一志ゴルフ倶楽部」を所有・運営する一志ゴルフ倶楽部(津市)を子会社化する。

2011年に平和がPGMを子会社化して以来、ゴルフ場の買収は2023年10月の武庫ノ台ゴルフコース(神戸市)に次ぐ19カ所目で、合計の保有ゴルフ場は149(うち一つはリース運営)になる。

PGMは、事業拡大のために良質なゴルフ場の買収をはじめ、女性や若いゴルファーの獲得に積極的で、さらに2025年3月期は基本方針として新規事業の計画的な推進を掲げている。

次に打ち出すのは、新たなゴルフ場のM&Aなのか、それとも女性向けや新規事業になるのだろうか。

パーオンが可能になるティーイングエリアを増設

一志ゴルフ倶楽部は三重県の県庁所在地の津市の中心部から20キロメートルほどの郊外にある18ホールの丘陵コースで、フラットでゆったりとした幅のフェアウェイのコースが多く、クラブハウスは派手さや豪華さよりも、ゆったりと寛げる造りになっているという。

運営会社の一志ゴルフ倶楽部の2024年3月期の売上高は3億7900万円(同13.8%減)だった。

PGMは、ドライバーの飛距離に応じたティーイングエリアの選択を推奨しており、2024年4月からは多くのゴルファーが、パーオン(規定打数より2打以上少ない打数で、ボールをグリーンに乗せること)が可能になるように性別や年齢に関係なく使用できるティーイングエリアを増やすとともに、ティーマークの呼称をカラーネーミング(ブラック、ブルー、ホワイト、ゴールド、レッド、ピンク)に統一した。

また、2024年8月からはナイター営業をしている6コースに加え、PGMゴルフリゾート沖縄(沖縄県国頭郡)と多治見北ゴルフ倶楽部(岐阜県多治見市)でナイター営業を始めた。

ライトアップされた幻想的な雰囲気が体験できるほか、日焼けを気にせずにプレーを楽しむことができるため、女性の利用が見込めそうだ。

2024年4月以降も順調に推移

2024年3月期は、夏の暑さ対策として送風機付ゴルフカート「Cool Cart」を拡大したほか、業務の効率化のためGPSを活用した無人芝刈り機や配膳ロボットを導入。

こうした取り組みに加え、ゴルフプレー需要が堅調に推移したほか、新規に取得した武庫の台ゴルフコースの貢献などもあり、平和の2024年3月期のゴルフ事業の売上高は962億2500万円(前年度比5.0%増)、営業利益は192億5000万円(同32.0%増)の増収営業増益となった。

2024年4月以降も順調に推移しており、4~6月の2025年3月期第1四半期のゴルフ事業の売上高は前年同期比5.3%増、来場者数は同4.4%増となっている。

PGMの月次の営業成績

ゴルフ業界で増えるM&A

ゴルフ業界ではゴルフ場運営大手のアコーディア・ゴルフが、2024年4月に静岡県掛川市のミオス菊川カントリークラブを取得し、運営ゴルフ場数を172としている。

またゴルフ場の一人予約サイトなどを運営するバリューゴルフ<3931>も2024年5月に、デジタル技術で生活やビジネスを変革するDX(デジタルトランスフォーメーション)化を支援するノア(東京都江東区)を子会社化するなど、M&Aが活発化している。

文:M&A Online記者 松本亮一

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