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タクシーの「MK」沖縄のOTS交通に資本参加 京都の観光手法を沖縄で展開

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沖縄の観光地の一つである守礼門

タクシーやハイヤーなどの事業を展開するエムケイ(京都市)の持ち株会社であるエムケイホールディングス(HD、京都市)は、旅行事業とレンタカー事業を中核とする沖縄ツーリスト(沖縄県那覇市)の子会社で、ハイヤーや観光バスを運行するOTS交通(沖縄県豊見城市)と資本業務提携する。

中核事業に集中するため事業再編に取り組んでいる沖縄ツーリストと、沖縄での事業拡大を目指すエムケイHDの思惑が一致し、エムケイHDがOTS交通に資本参加することで合意した。

エムケイHDでは、今回の取り組みによって沖縄での「MaaS(複数の交通手段の検索や予約、決済を一つのアプリなどで行えるサービス)事業の展開など新たな二次交通(タクシー、ハイヤー、貸切りバス)を生み出す」としている。

レンタカーに代わる移動手段を提供

OTS交通はハイヤー10台、観光バス7台を運行しており、東京商工リサーチによると新型コロナの影響を受けて厳しい経営環境下にあるという。

エムケイHDは、資本参加に伴い同社が持つ人材育成やDX(デジタル技術で生活やビジネスを変革する取り組み)化などのノウハウをOTS交通に注入するほか、京都で手がけているタクシーなどを用いた個人向けの観光サービスを沖縄でも展開する協力体制を組む。

さらに沖縄旅行の定番である通常のレンタカーに代わる新たな移動手段として、ホテルとのカーシェア提携、ライドシェアへの将来的な参入、高級EV(電気自動車)によるレンタカー事業などを進める。

並行して沖縄ツーリストとの協業にも取り組む計画で、エムケイグループが取り組んでいる着地型観光(現地の組織が提供する、その地域の魅力を盛り込んだ観光ツアー)を、沖縄ツーリストが沖縄や東京、北海道などで旅行商品として販売する。

また沖縄ツーリストが拠点を置く台湾でも、エムケイグループの業務提携先である台湾最大手のタクシー会社と沖縄ツーリストが協業することで、両社が提供している日本国内の観光交通事業や飲食事業などを拡充する。

2023年3月期は30%の増収に

エムケイホールディングスは京都や東京、大阪など全国8都市で、タクシーを中心にハイヤーや観光バス、レンタカー、ガソリンスタンド、アミューズメントなどの事業を手がけている。

同社は2030年までにタクシーやハイヤー全車のZEV(電気自動車、燃料電池自動車など)化を目指しており、沖縄でもこの取り組みを推進する。

帝国データバンクによると傘下のエムケイの2023年3月期の売上高は129億9000万円(前年度比30.8%増)、当期利益は20億300万円(前年度は2億9700万円の赤字)だった。

文:M&A Online記者 松本亮一

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