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ルネサス、米アルティウム買収で1兆円のローン契約を締結

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アルティウム買収後も引き続きM&Aに意欲を燃やすルネサスの柴田CEO(Photo By Reuters)

ルネサス エレクトロニクス<6723>は5月30日にプリント基板設計ソフトウエアを提供する米アルティウムの完全子会社化で合意に達し、併せて総借入限度額1兆円のローン契約を締結した。買収効力発生日から3営業日以降に借り入れが可能となり、借入日から5年後をめどに返済する。融資に応じる金融機関は三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友信託銀行など。

高度化が進むプリント基板設計の課題解決で差別化

ルネサスは2月15日にアルティウムを総額約8900億円で買収すると発表していた。これまでも欧米半導体メーカーの大型買収を続けてきたが、今回の買収でEV(電気自動車)はじめ顧客企業の電子機器開発の生産性向上に役立つソフトを拡充して競争力強化を狙う。

電子機器のデジタル化や高度化が進み、プリント基板の設計では複数の段階で多くのエンジニアが携わるなど複雑化している。設計者は機能面だけでなく、費用対効果に優れたシステムを短い開発サイクルで実行することが求められるようになった。

ルネサスは、この分野で最先端の設計ソフト「Altium Designer」を持つアルティウムをグループに取り込み、こうした課題を解決。競合する半導体メーカー各社との差別化を進める。

同社は2017年にアナログ半導体メーカーの米インターシルを約3200億円で、2019年には通信用半導体を主力とする米インテグレーテッド・デバイス・テクノロジー(IDT)を約7300億円で、2021年にアナログ半導体メーカーの英ダイアログ・セミコンダクターを約6240億円で、それぞれ買収した。

文:M&A Online

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